「ABOUT A BOY」鑑賞


ニック・ホーンビィの原作小説をヒュー・グラント主演で映画化したやつのTVシリーズ版。なんで今ごろ?という気もするけど、まあネタがなかったんでしょう。

例によって内容はアメリカナイズされていて、舞台はサンフランシスコ。大ヒットしたクリスマスソングの印税で優々としたシングルライフを謳歌していたウィルは、シングルマザーが容易に口説き落とせることに気づき、架空の息子を仕立て上げてシングルファーザーのふりをして女性に接近する。同時期に彼の隣の家にはシングルマザーのフィオナとその息子のマーカスがやったので、ウィルはマーカスに彼の息子を演じるように頼むのだが…というような内容。まあ映画版と大体同じかな。

プロデューサーにロバート・デニーロが名を連ねていて、第1話の監督はジョン・ファヴロー。主役のウィルを演じるのはデビッド・ウォルトン…って誰だっけ。隣人の口うるさいニューエイジかぶれのシングルマザーをミニー・ドライバーが演じてるのだが、あの人ってここ10年くらいはうるさいオバサンの役ばかり演じているような。あとは「デイリーショー」のアル・マドリガルが出演しているのだけど、彼って「デイリーショー」を降板するのか?

ずっと前に書いたようにニック・ホーンビィっていまいち大人になれない男性の心境を描くのが巧い作家で、俺もミックステープとか作ってたので「ハイ・フィディリティ」にはえらく共感して、好きだった女の子に文庫本を渡したらぜんぜん読んでくれなくて、えっと、えっと、何だったっけ。ああそうだ、それでこの主人公のウィルって周囲の友人がみんな結婚して子供つくって落ち着いてるなかでひとり好きなことやってるボンクラで、境遇的には自分と似てなくもないのだが、全く共感できないのよね。まだヒュー・グラントが演じてた時は寂しさを秘めたような感じがあったけど、今回は単に無責任なアメリカンというか。もうちょっと奥行きのある人物にすればよかったのに。

あと第1話が映画版のあらすじを大体なぞっているわけだが、今後の展開はどうするんだろうね?大人と少年のバディ・コメディだったら「ハーパー★ボーイズ」が既にやってるわけで。本国の評判も良くないようだし、この時期に開始される他のコメディドラマと同様に、あまり長続きはしないシリーズとなるでしょう。

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