「Metal Hurlant Chronicles」鑑賞


Syfyチャンネルのオリジナルシリーズ…と銘打ってるけどフランスでは2012年に放送されてんのね。

日本でもちょっと前までは洋書屋で売ってた「Heavy Metal」というSFコミックのアンソロジー誌がありまして、その元は「メタル・ユルラン(叫ぶ鉄)」というフランスのバンドデシネ雑誌であるわけですね。「ユルラン」では故メビウスやリチャード・コーベンといったアーティストたちがイマジネーションの限りを尽くした荘厳なSFコミックを描いていたわけだが、それらのストーリーをアンソロジー形式で映像化したのがこのシリーズ。劇中では「メタル・ハーラント」と発音してるけど、アメリカ人の視聴者に分かるのかそんな言葉。しかし「Heavy Metal Chronicles」という名前ではやはり音楽ドキュメンタリーだと誤解されると懸念されたんだろうか。

第1話はリチャード・コーベンがアートを担当したコミックが原作で、死にかけている暴君の王の後任の座を狙って戦う剣闘士たちの物語。中世のようでロボットが飛び交うエキゾチックな世界設定になっているのだが、やはりコーベンの筋骨モリモリな男女が出てくるアートに比べると映像がショボすぎることは否めない。30分という尺なのでサクっと観られるけどバッドな終わりかたをしてまして、毎回こういう展開だと辛いものがあるのではないかと。

なおフランスとベルギーの合作番組ながら出演者のセリフはみんな英語で、ブラック・ダイナマイトことマイケル・ジェイ・ホワイトなんかが出演していた。剣闘のアクションなんかはスローモーションばかり使っててお世辞にも見事なものではないが、彼が素手で戦うところだけはやはり切れのいい動きをしていましたね。後の話ではミシェル・ライアンとかルトガー・ハウアーなんかも出演しているらしい。

フランスで2012年に6話だけ放送されただけらしく、まあ続きは作られないだろうな。「Heavy Metal」の映像化に興味がある人は、こっちよりもアニメ映画版を観ることをお勧めします。

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