「Madam Secretary」鑑賞


CBSの新作シリーズ。

エリザベス・マッコードは元CIAの肩書きを持つ大学教授で、同じ大学に務める夫と2人の子供とともに牧場で暮らしていた。しかし合衆国国務長官を乗せた旅客機が南米で墜落してしまい、それを受けた旧知の仲である大統領から直々の依頼をされて、エリザベスは新しく国務長官に着任する。しかし直属の上司である首席補佐官とはウマが合わず、悶々としているところにアメリカ人の若者2人がシリアで拉致されたという情報が入ってきて…というようなプロット。

主人公を演じるのはティア・レオーニ。あとはキース・キャラダインが大統領を演じていて、ビビ・ニューワースなどが出演している。プロデューサーとしてモーガン・フリーマンが関わっている。

まあ主人公は明らかにヒラリー・クリントンを意識してるんだろうけど、これが作られてた頃はすでに国務長官はジョン・ケリーになってたと思うので、クリントンへのベタな応援というよりもあくまでも元ネタと考えればいいのかな?この番組に限らず、政治ネタを扱った今年の新シリーズはみんな中東問題をテーマにしているようで、(第1話の時点では)どれも「イスラム国」の台頭を予測できなかったあたり、時事問題をTVシリーズに練り込むことの難しさが伺える。HBOの「ニュースルーム」みたいにあえて過去のニュースに専念するのも手ではあるのだが。

アメリカ政府という組織において主人公ひとりをいかに目立たさせるかというのも難しいところで、第1話では国際問題になりかねないアメリカ人の誘拐事件を、主人公の「個人的なツテ」を使って秘密裏に解決するあたり(しかも交渉相手に金を振り込むだけ!)は確かに主人公の有能さを強調しているものの、毎回こんな個人プレーに走らせるわけにもいかんだろうなあ。前の国務長官の墜落死にはどうも陰謀が隠されているらしいというプロットも投げ込まれているものの、全体的には政治ドラマとしては生ヌルい出来という印象が否めない。