「マッドマックス 怒りのデス・ロード」鑑賞

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アメリカへ出張したので観てきたのだよ。プロットらしきものはあまり無いんだけどいちおうネタバレ注意な。

・皆が期待してる「ヒャッハー!」なアクションはもちろんあるよ。というか最初から最後までそればかりなんだけど、観て驚いたのはこれすごく女性を中心に添えた作品だということ。

・話の実質的な主人公はマックスというよりもシャーリーズ・セロン演じるフュリオサだし、彼女を頼ってイモータン・ジョーのもとから脱出する5人の女性は最初こそレイプの犠牲者であり、か弱い存在なのだけど、グロテスクな貞操帯を断ち切って自由になったあとは自由を求めて行動し、しまいには戦いの流れを大きく変えるような存在になっていく。

・女性の一人が身を挺してマックスを守るシーンなんて観てて涙がでましたよ。「トランスフォーマー3」では突っ立ってるだけだったクチビルオバケ(名前忘れた)がキャストに加わると発表されたときは何の冗談かと思ったが、彼女も他の女性も素晴らしい縁起をしてるではないですか。

・主人公の男性と恋に落ちるために女性が一人だけ用意されてる最近のアクション映画をあざ嗤うかのように、この作品はベクデル・テストを易々とクリアし、男たちが支配する世界における女性たちの奮闘を描いていく。

・そんな彼女たち(特にフュリオサ)に比べるとマックスなんかはあくまでも脇役的な扱いだったりする。まあそのぶんセリフや行動に重みがあって良いんだけどね。マックス本人は女性が相手でも特にドギマギしたりはしないのだが、そこらへんはニコラス・ホルト演じるイモータン・ジョーの手下がうまい役回りになっていたな。

・おれ映画館では3人の女性とカップルの男女に囲まれて観ましたが、これ女性が観てもかなり楽しめる内容になってるのでは。女性の描写についてフェミニスト作家のイブ・エンスラーをコンサルタントに呼んだというのは伊達じゃない。

・といいつつも男の子映画の要素も当然ながらタンマリあって、最初から最後までひたすらカーチェイス!悪夢のチキチキマシーンみたいな車が次々と登場して、豪快にドンパチやってくれます!CGを控え目にした生身のアクションは大迫力ですよ。

・意外と良い上司っぽい(気がする)イモータン・ジョーよりも、その部下たちのほうが気が狂っててヒャッハー!という感じ。いちばん良かったのはキャタピラのついた車を乗り回すバレット・ファーマーで、○○になっても銃を撃ちまくるその姿はもう最高!

・なおマックスを演じるトム・ハーディは相変わらず話し方がどんくさいオッサンのようである。彼のセリフは非常に少ないし、イモータン・ジョーの言葉もマスクでくぐもって何言ってるのか聞き取りにくいわけで、そういう意味では日本語吹替の声優に素人を起用してもあまり作品に影響は無いような気もする。まあプロの声優を使うにこしたことはないんですが。

・この作品の成功を受けて早くも続編(プリクエル?)の製作が決定したみたいですが、ここまでプロットを削り落とすことはもう出来ないんじゃないかな?でも個人的には「アベンジャーズ2」よりもずっと楽しめた作品なので、またブレンダン・マッカーシーを起用して新たな「マッドマックス」シリーズを作り上げて欲しいところです。

Females are strong as hell.

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