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俺が今までいろいろ映画を観てきたなかで、生涯のナンバー1作品はフリッツ・ラングの「メトロポリス」(1927)であることは以前にもどっかで書きましたが、その「メトロポリス」のリメイク話が持ち上がってるそうな。最近のリメイク狂いもここまできたか。しかも関わってるのはカロルコの古ダヌキ、マリオ・カサールだって。

「メトロポリス」の何が素晴らしいかというと、特殊効果はおろか音声も色もなかった時代に、あれだけの壮大な物語を脚本と演出で描ききったことが1つ。それと20世紀前半における社会の機械化に対する憧れと畏怖、資本家と労働者の広がる格差といった当時の思想が巧みに表現されていることに俺は感服してしまうのです。あとナチスの影響もどっかに出てるはずだ。要するに今から80年もの昔に、膨大な人力を動員して1927年のツァイトガイストを具現化すると同時に当時の未来に対する希望と恐れを映しだしている作品なわけで、これは今となっては文字通り失われた芸術だよなあ。実際にフィルムの一部は失われているし。とにかく作品の持つパワーというのが半端じゃないのです。

で、これを今になってリメイクしようとしたってさ、窓の外には高層ビルが建ち並び、あらゆるものが機械でオートメーション化されてる時代に我々は生きているわけで、そこでリメイクすることに何の意義があんの?美女に化けるロボットなんて今どきどこのガキも驚きませんぜ。そんなんだったらメディア王を描いた「市民ケーン」をリメイクしたほうがまだ現代に通じるものがあると思うけどね。

その昔マドンナがPVで「メトロポリス」をパクったときも頭にきたが、今回はもっと非道くなりそう。せめてジョルジオ・モルダーがやったような、最近の音楽をつけて再公開するくらいの程度にしといてくれないかね。

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