「007 スペクター」鑑賞

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・公開したばかりなので簡単な感想をざっと。でもネタバレ少しあるかも。

・前作でQやマニーペニーなどが復活したことでその兆しはあったが、今回は続いてスペクターやら猫やらマオカラーの悪党などが復活していて、かつて「カジノ・ロワヤル」で縁を切ったはずの過去の設定がいろいろ戻っております。これはミニラを捨てたはずのゴジラシリーズにいつのまにかゴジラジュニアが登場していたのと同様に、フランチャイズムービーの宿命なのだろうか。

・加えて列車の中でのヘンチマンとの格闘とか、過去の作品へのオマージュがいろいろ入ってるし、ダニエル・クレイグの過去3作への言及が多分にされるなど、かなり昔を意識した内容になっている。でもシリーズ第20作ということで過去のネタをいろいろ詰めこみすぎて肥大しまくってた「ダイ・アナザー・デイ」よりかはずっとスマートにオマージュを捧げられているかと。

・でも「慰めの報酬」では「何でも知っててすげーんだぜ!」と吹聴されてた「クォンタム」が、「スペクターの下部組織だよ」と一言で片付けられていたのはガックリきたなあ。あと何で指輪を分析すると組織の関係者がわかるんだ?

・「ボンドの敵はカタワ者」という伝統は守られてましたね。でもクリストフ・ヴァルツは狡猾なタイプであっても凄みのある敵を演じるのは向いてないような。

・「Cが何を意味してるのか分かった」というセリフで四文字言葉を連想したのは俺だけ?

・前作はロジャー・ディーキンスの撮影が見事だったけど、今回のセピア色を多用した色合いはあまり好きではないな。でも群衆のシーンにおいても主要人物の動きが分かる画面の構図などは良かった。あと全体的にピントが合ってない気がしたが、あれは映画館の設定の問題かな?エンドクレジットの文字もぼけてたし。

・サム・スミスの主題歌が味気ないのが残念。ボンド映画の歴代作品のなかでもワースト3くらいに入る歌じゃないだろうか。

・ダニエル・クレイグの続投が微妙な一方で、「James Bond will return」としっかり最後に出ているわけですが、このまま復活したキャラクターたちとの絡みが続いていずれまたマンネリ化するのか、それともどこかでまた過去とは縁を切ってリセットするのか、長年続くシリーズはそこらへんの見極めが渦かしいところです。

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