Lucifer, Season 1
いちおうヴァーティゴ・コミックスの作品を原作にした、FOXの新シリーズ。

原作はヴァーティゴの金字塔「ザ・サンドマン」からスピンオフしたコミックで、マイク・ケリーによるストーリーが高く評価されて、「ザ・サンドマン」同様に75巻まで続いた、意外と人気のあった作品なんだよな。俺はあまり読んだことがないのだけど、「ザ・サンドマン」において地獄の統治を放棄し、ツーフェイスみたいな女悪魔とともに地獄を去って地球にやってきた寡黙な堕天使ルシファーを主人公したファンタジー作品だったはず。

それがこのTVシリーズ化においてはルシファーはもっと軽薄なキャラクターになっていて、LAのナイトクラブを経営するチャラ男といった感じ。そのクラブで働いていたシンガーが目の前で撃ち殺されたことから、その事件を捜査する女刑事とコンビを組むことになるという、なんと刑事ドラマの設定になってしまっている。ここまで設定を変えるなら、別にあの原作を使わなくても良かったのではと思うが、おそらく製作のワーナーがコミックとの相乗効果を狙ったのでしょう。

んでルシファーは当然ながら人知を超えた能力を備えているわけだが、それは「不死身」であり「人に真実を語らせることができる」というもの。つまり悪人にどれだけ撃たれても動じないし、彼が尋問する相手は自ら情報をベラベラ話してしまう!それって捜査とアクションという刑事ドラマの2つの醍醐味を完全に奪ってしまっているのだけど、いいのかそれ。しかもルシファー自身は捜査にあまり興味がないため、肝心の謎解きは相棒の刑事がやってる始末だし。

製作はジェリー・ブラッカイマーの会社で、第1話の監督はレン・ワイズマン。主演のトム・エリスって一昨年は「RUSH」という医療ドラマで殆ど同じようなチャラ男の主人公を演じていたような。あれ1シーズンですぐ打ち切りになったけど、よくまた主役につくことができたな。

女刑事に何か謎がありそうなことが示唆されるし、ルシファーを地獄に戻したい天使なんてのも登場するけど、次回も観たいと思うような作品ではなし。映画にしろテレビにしろ、チートなくらいに強力な能力を持った人物が主人公をやってしまっては何の面白みもないのよな。例によって保守系の団体から「悪魔を美化した番組を作るな!」なんて抗議を受けてるらしいが、そんなのがなくてもたぶん長続きしないだろう。

ヴァーティゴのコミックだったら、これよりも「サンドマン・ミステリー・シアター」とか「デッド・ボーイ・ディテクティブス」なんかをそのまんま映像化したほうが面白そうだと思うんだがなあ。

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