「SS-GB」鑑賞


BBCの新作ミニシリーズで、レン・デイトンによる同名小説を原作にしたもの。邦訳もあるらしいですが読んでません。

いわゆる歴史改変もので、舞台は1941年のイギリス。この世界では約1年前にイギリス軍がバトル・オブ・ブリテンに敗北して、イングランドとウェールズの大半はナチスドイツに征服されていた。一部ではレジスタンスによる抵抗が続いているものの、大半のイギリス人はドイツ政権のもとで粛々と暮らしていた。そして主人公のダグラス・アーチャーはロンドン警視庁の警部であり、相棒とともにとある殺人事件を調査することになる。闇市場に絡んだ殺人だと見なされた事件だったが、ベルリンから連隊指揮官が謎の目的をもって警視庁にやってきたことから、アーチャーは国をゆるがす大きな陰謀に巻き込まれていく…といったあらすじ。

第1話を見た限りでは、パラレルワールドにおける刑事ものといった感じで、SFの要素はなし。似たような設定の作品には「高い城の男」があるが、あちらがどちらかといえばロードムービーっぽいのに対し、こちらは狭いロンドンを舞台にした陰謀ものといったところか。ドイツ軍の上司たちが何かを企むなか、アーチャーが捜査を続けるにつれ、レジスタンスの運動や謎の化学兵器の存在が示唆されるものの、まだまだ話は序盤なのでよく分かりません。

主人公のアーチャーは妻を大戦で亡くし、息子とともに暮らしている人物。ドイツ軍の上司に協力している一方で、レジスタンスにも理解を示しており、恋人のシルビアがドイツ軍により反抗的な態度を示したとき、自分の忠誠心が揺らぐのを感じている。また彼の前にアメリカのジャーナリストだというバーバラという女性が現れ、彼女が何かを企んでいることが話の大きなプロットになっていくみたい。

アーチャーを演じるのがサム・ライリーで、バーバラをケイト・ボスワースが演じている。サム・ライリーがダミ声でぶっきらぼうな感じで話すので、警部というよりも私立探偵のような雰囲気を持っているのだが、本国ではみんなのセリフがもそもそして聞き取れないということで、クレームが殺到したらしい。俺が見た感じではそんなにひどくはないけど、会話にドイツ語などが入り混じるので結構集中しないと話についていくのが難しいかも。

まだ話が始まったばかりなので何とも言い難いが、そんなに悪い作品ではないと思う。これから先に謎の展開がどうなっていくのだろう、というのが気にはなるくらいの出来であった。

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