いわゆる密室型のホラーで、原題は「The Autopsy of Jane Doe」。5月20日から日本公開。以降はネタバレ注意。

小さな街の一軒家において住人が惨殺されるという不可解な事件が起き、さらには地下室から地面に埋まった形で全裸の若き女性の死体が発見される。この女性の死因を調べるために、死体は親子で検視医を営むトミーとオースティンのもとに運ばれ、身元不明の遺体につけられる「ジェーン・ドウ」の名前で呼ばれることになる。ジェーン・ドウの体は死亡してから時間が経っている兆候がある一方で、死後硬直などが起きておらず、その奇妙さに頭をひねるトミーとオースティン。さらに解剖を進めるうちに謎めいた痕跡をいくつも発見する二人だったが、それにあわせて彼らの周囲にも不気味な現象が起き始め…というあらすじ。

スプラッター系というよりも心理的なホラーだが、題名のごとく死体がザクザク切り刻まれて解剖されていく内容なので当然ながら血みどろの描写が多く、そういうのが苦手な人は気をつけましょうね。外見上は傷のない遺体を解剖するうちに数々の謎が浮かび上がってくる、という展開は『CSI:科学捜査班』とか『羊たちの沈黙』みたいなサスペンスではお馴染みの展開かもしれないが、それをホラーに結びつけた点が目新しいかな。

ざっくり話を分けると、前半は解剖を進めるうちになんかヤバい雰囲気がだんだんと高まっていき、後半はその結果が起きる、どちらかといえばアクション多めの展開になっている。よってホラーとしては前半のほうが優れているだろう。もっと登場人物が多い話であれば謎について肯定派と否定派の見解が対立して観客をうまくケムにまくことができたかもしれないが、こちらは出てくるのが二人だけなので、「なんかヤバいよね」から「逃げるぞ!」までの流れがやけにスムースなのが気になったかな。まあ作品の出来を下げるようなものではないですが。

検視医のうち親父のトミーを演じるのがブライアン・コックス。当初はマーティン・シーンが演じる予定だったもののスケジュールの都合でコックスになったそうだが、シーンにはホラーが似合わない気がするので、コックスのほうが適役だったと思う。そして息子のオースティン役にエミール・ハーシュ。彼ってこないだ暴力沙汰を起こしたのでハリウッドを干されるかなと思っていたら、今後も出演作が続くそうで、まあ良かったんじゃないですかね。あとは死体のジェーン・ドウ役を、オルェン・ケリーという女優さんががんばって演じています。なんか次作も昏睡状態の女性の役をやるみたいで…?

観ていてサスペンスの盛り上げ方が大変怖い映画でございました。おれあまりホラーは観ないけど、ホラーとしては今年のベスト級に入る作品ではないでしょうか。

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