「SNOWFALL」鑑賞


80年代にクラック・コカインがいかにLAに蔓延していったかを描いたFXの新シリーズで、プロデューサーはジョン・シングルトン。

今秋の新シーズンも含めた、最近のアメリカのドラマのトレンドとしては「アメリカン・クライム・ストーリー」などに触発された実録犯罪ものと、いわゆるBlack Lives Matter運動に絡めた「黒人社会vs警官」というテーマをもった作品が多く作られているみたい。どちらも日本では元ネタの知名度が低いのでどうも人気が出ないような気がするが、この「Snowfall」はそのどちらの要素も持っている作品といったところ。

1983年のロサンゼルスを舞台に、マリファナを売って小銭を稼いでいたが、ある日ふとしたことから多額のコカインをさばくことになったサウスコンプトンの黒人少年、メキシコのカーテルの一員になるために強盗を行うよう命じられるルチャ・リブレのレスラー、そして麻薬の過剰摂取で死んだエージェントの後始末をすることになったCIAの職員、といった3人の人物が怪しい案件に手を染めていくさまが描かれていく。いずれは3人の行動が交錯していくことになるのかな?

イスラエル人の大物ギャングが大量のコカインを扱っていることや、アメリカ政府が裏取引をして南米の国からコカインの密輸を容認していたような話が出てくるが、第1話ではまだクラック自体は出てこなかった。

大物ギャングの言動がかなりステレオタイプっぽかったり、レスラーが強盗に入った先で家人に見つかって、もみ合ううちに家人が死んでしまう展開とか、どうも使い古されたプロットがあちこちで見受けられる一方、演出(第1話の監督はシングルトンではない)が全体的に手堅いので、観ていて飽きることはなかった。よくできたブラックムービーみたいというか。

キャストは比較的無名の役者が多いかな?ほぼ主役の黒人少年を演じるダムサン・イドリスって結構ハンサムなのだが、彼もイギリス人俳優なのかー。出演作の少ないイギリス人が海を渡ってアメリカで起用される仕組みってどうなってるんだろう。

決して悪い作品ではないし、特にCIA絡みのストーリーは今後どうなるのか興味あるのだけど、やはり日本では注目されないだろうな…。

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