「KIDDING」鑑賞


ジム・キャリー主演のSHOWTIMEの新作TVシリーズ。

主人公のジェフは「ミスター・ピックルズ」というキャラクターとして、30年にわたって「セサミ・ストリート」のような子供向け番組のホストを演じてきた中年男性。その番組は子供たちに絶大な人気を誇り、膨大な利益を生み出す一大ブランドに成長していた。その一方で実際のジェフの生活は決して楽しげなものではなく、妻とは離婚したばかりか双子の子供のうちひとりを交通事故で失ってしまう。番組でパペットを制作しているジェフの妹ディードラも、夫がゲイであるらしいことを知って気落ちしていた。ジェフとディードラの父親であるセブは番組のプロデューサーでもあって、公私ともにわたってジェフの行いを支配しており、番組で「死」をテーマにしようと望んだジェフの願いをにべもなく却下する。こうして仕事でも家庭でも追い詰められたジェフは徐々に正気を失っていく…というあらすじ。

SHOWTIMEに限らずHBOとかの有料ケーブル局のコメディ番組って、なぜかダウナーなノリのものが多いのだが、これもその1つ、というか内容が暗すぎてコメディ番組と呼んで良いのか…?SHOWTIMEはちょっと前にスティーブ・クーガン主演で「Happyish」というダークなコメディ番組を作ってまして、視聴率が稼げなくて1シーズンで打ち切りになってたりするのですが、これも大丈夫かな…?

とはいえ主演はジム・キャリーですからね。ジェフの頭のタガが外れていく演技は彼だからこそできるものがあって、今度それがエスカレートしていくのなら結構面白い展開になるかもしれない。さらにこれ監督とキャストがえらく豪華で、全エピソードの監督は「エターナル・サンシャイン」でキャリーと絶妙なコンビを組んだミシェル・ゴンドリー。第1話を見た限りではゴンドリーっぽい奇妙な描写は少なかったけど、ジェフの住んでいるアパートの住人が両手にペットボトルをくくりつけている、というのがそれっぽいかも。

キャストはジェフの父親のセブ役にフランク・ランジェラで、妹のディードラがキャサリン・キーナー。ジェフの元妻で、なんかちょっと育児疲れしているようなジルの役は、最近どの映画でもちょっと育児疲れしているような母親の役ばかり演じているジュディ・グリアー。あと第1話ではコナン・オブライエンとダニー・トレホが本人役でちょっと出ていました。このように鉄壁の監督とキャスト陣だが、クリエーターが「WEEDS」のデイブ・ホルステインだというのがちょっと不安だな。かれ最近はHBOの「BRINK」がコケているので。

何にせよ「エターナル・サンシャイン」以来のジム・キャリーとミシェル・ゴンドリーのコンビというのは多くのファンが待っていたものだろうし、大化けしてくれることに期待。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です