「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」鑑賞

公開中なので感想をざっくりと。ネタバレ注意。

  • ブラッド・ピット主演というわけではないが、タランティーノ作品としては雰囲気的には「イングロリアス・バスターズ」に似ていた。あっちはタランティーノの戦争映画の趣味が詰め込まれていたのに対し、こっちは60年代のエクスプロイテーション映画とかマカロニ・ウェスタンの趣味が詰め込まれているというか。
  • 「バスターズ」ではヒットラーが歴史改変の憂き目に遭っていたので、こっちもそんなオチになるんじゃね?と思ってたら本当にそうだった。よってラストの展開はそんなに驚きはなし。
  • あとブラピのキャラがブルース・リーと戦う展開も、リーの娘がクレームを入れたことで結果を知ってしまったので、意外性はなし。
  • というわけで話の展開がなんとなく分かっていたし、そもそもの脚本がファーストアクトにセカンドアクトにサードアクトときっちり組まれているような構成ではないし、ただ当時のハリウッドの雰囲気を眺めるような、そんな内容になっていた。
  • つまりタランティーノの趣味の世界に2時間以上も付き合わされるわけだが、いろいろ小ネタは多いし、ブラピの車の飛ばし方とかに爽快感があるので、観ていて飽きることはない。尺が短く感じられたな。
  • 小ネタといえばラジオのニュースとかもいろいろ言ってるのだけど、日本語字幕がさすがに追えていなかったのが残念。
  • タランティーノ映画の常連も「ザ・ギャング」としてたくさん出てきて、シーンがカットされたティム・ロスまでもがクレジットされてて、なんかタランティーノの集大成みたいでしたな。
  • 常連以外でいうと、ダミアン・ルイスのマックイーンが微妙に似てなくていい感じ。ティモシー・オリファントの役って実在した役者なんすね。エミール・ハーシュは暴行事件でホサれたかと思ってたがバリバリ出演してるな。
  • 観た後に心に何か残るのか、というと何も残らない作品かもしれないけど、観ていて普通に楽しめるものでした。タランティーノはこのまま60年代のノリで「スター・トレック」撮ってしまえば良いのでは。