故フィリップ・ロスの同名小説を原作にしたHBOのミニシリーズで、プロデューサーは「ザ・ワイヤー」のデビッド・サイモンとエド・バーンズ。基本的にサイモンの関わるものは観ておいて損はないよ。

舞台は1940年代前半のアメリカ。ヨーロッパで激化する第二次世界大戦への参戦を政府が模索するなか、ヒトラー政権との友好と参戦拒否を訴えるチャールズ・リンドバーグが政治家として台頭する。そして市民のあいだでは反ユダヤ感情が高まるなか、フィリップ少年のいるロス一家は普通の生活を送ろうとするものの、ついにリンドバーグは大統領に選出されてしまい…というあらすじ。

人種差別をテーマにしたアメリカの架空歴史もの、と言う意味では奇しくも同じHBOのミニシリーズ「ウォッチメン」に通じるものがあるかな。アメリカの歴史がいかに現実以上に差別的なものになりかねなかったかを描いているというか。原作は2004年の出版で、当時のブッシュ政権にインスパイアされたのではという見方もあるようだけど(ロス自身は否定)、口当たりのいいセレブが出てきて大統領にまでなってしまうというのは、むしろ今の政権を対象にしてるんじゃないかと思ってしまいますね。

デビッド・サイモンの他の作品と同様に、決して派手な展開が起きるわけではなく、セリフが多い内容ではあるものの、政治家による賢くない判断が市井の人々の生活にじわじわと影響していく描写は彼の得意とするところですね。

出演者はロス家の父親にモーガン・スペクター、母親がゾーイ・カザン。独身の叔母にウィノナ・ライダーで彼女と付き合うことになるラビ役がジョン・タトゥーロ。「ザ・ワイヤー」からはマイケル・コストロフが出演しています。

サイモン作品としては初めて小説を映像化したもので、プロットは小説通りなのだろうけど、ロスの従兄弟が戦地に赴いたり、兄が南部の家庭で「教化」されたりと、この後もいろいろな展開があるみたい。日本でもいずれスターチャンネルで放送するのかな。

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