「The 1/2 Hour News Hour」鑑賞

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ゴリゴリの保守系ケーブルチャンネルであるフォックスニュースが「保守系向けののデイリーショー」のような番組を作るという話をちょっと前に聞いた時はどこの悪い冗談かと思ったんだけど、なんかあっという間に作られてしまった。それがこの「The 1/2 Hour News Hour」なる番組。セットのデザインなんかは意外なほど「デイリーショー」に似ているけど、男女のキャスターが生半可な時事ネタを連発していく形はSNLの「ウィークエンド・アップデート」に近いかな。

んで肝心のジョークなんだけど、冒頭に「2009年の大統領&副大統領」と称してラッシュ・リンボーとアン・クルターが出てきた時点であーもうおなかいっぱい、ごちそうさまといった感じ。それから延々とリベラル叩きが行われていって、バラック・オバマをコケにしたり環境保護をバカにしたりといった内容が続いていく。これらのネタが面白いんだったらまだ許せるけど、どれもこれも酒場のオヤジが考えつく程度のもので、それに合わせて笑うサクラ(ラフ・トラックか?)の笑い声も非常に不愉快。

そもそも風刺というのは権力を握っている連中に対して行うからこそ面白いのに、ブッシュとかイラク戦争とかに関する話は一切なし。リベラル寄りの「デイリーショー」だって民主党とかへの風刺はしっかりやってんのに、この番組はバイアスがかかってるのが明白で、見ててぜーんぜん面白いところがないでやんの。ニュースチャンネルがコメディ番組を作るとは言わないけど、もうちょっとマシなもの作ろうよぉ。ちなみにプロデューサーには何故か「24」とか「エンタープライズ」の人たちが関わってるらしい。

この番組がつまらないことについては保守系の新聞とかでもボロクソに書かれたらしいが、これが逆に人々の興味を誘ったのか「デイリーショー」並みの視聴者数を稼いでいるらしい。こういうのを見て溜飲が下がるような人たちも世の中にはいるんでしょうね。