そこそこ良い評判を聞いていたサスペンス。原作は「コックファイター」と同じ作者による1971年の小説らしいが、うまく話の内容を現代に置き換えている。

舞台はイタリア。才能はあるものの過去の過ちにより活躍の場を絶たれた美術評論家のジェームズ・フィゲラスは観光客相手のレクチャーを行なって暮らしていたが、バーニスという女性と出会って恋仲になる。そして彼はキャシディというアートディーラーに招かれてバーニスとともに彼の屋敷に向かうのだが、そこでキャシディはジェームズに、隠遁した伝説の画家ジェローム・デブニーが彼の敷地に住んでいることを伝える。そしてデブニーにインタビューを申し込むふりをして、彼が描いているらしい絵画を手に入れるようキャシディはジェームズに依頼する。これは自分の名声を取り戻すチャンスだと考えたジェームズはその依頼を受けるのだが…というあらすじ。

アートと批評家の関係についてのレクチャーから話が始まるので、アート業界を皮肉った内容になるのかと思ったら必ずしもそうではなく、スタイリッシュなサスペンスというわけでもなくて、自分の野望に追い込まれる男の物語といったところかな。完全にお互いのことを信用しているわけではないジェームズとバーニスのやりとりを中心に話が進んでいく。

ジェームズ役にクレス・バング、バーニス役がエリザベス・デビッキ、デブニー役がドナルド・サザーランド。「テネット」や「コードネーム U.N.C.L.E.」ではその背の高さが際立ったデビッキだが、今回はバングもサザーランドも190センチ台のデカブツなのでバランスはとれている。つうかみんなデカすぎるでしょ。あとはキャシディ役をミック・ジャガーが演じていて、重要なところにチョコっと出てきて偉そうな顔をするあたりは「フリージャック」の役と似てなくもないが、あの時よりも年取ってヨボヨボになってるので、良い意味で不気味さを醸し出していました。今後は役者業にも力を入れるのかね?

ちょっと吹っ切れてないというか、少しおとなしめの印象を受けたけど、いい役者が揃ってることもあり悪い作品ではなかったな。「ドラキュラ」もそうだったけど、自分の自信が揺らぐ時の演技がクレス・バングは上手いと思う。

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