「X線の眼を持つ男」鑑賞

ロジャー・コーマン大先生の監督作の代表作の1つである「X線の眼を持つ男」(1963)を観た。主演はレイ・ミランド。アカデミー賞俳優(後で穫った人たちを除く)とコーマンが組んだ作品ってこれくらいじゃないかな。でも内容はバリバリのB級ムービーですが。

主人公のエグゼビア博士は人間の眼の機能を飛躍的に向上させる薬を開発し、それを自らに試したことで透視能力を身につける。そうなると当然女の子の服が透けて見えたりするのですが、博士はそれに満足せず(なぜだ!)薬の量を増やすことでさらに多くのものが透視できるようになるものの、精神的にその能力をうまくコントロールすることができず、誤って同僚を殺してしまったために追われる身になるのだが…というのが大まかなプロット。

チープな特撮(「スペクトラマ」という名前つき)やカーチェイスに入り混じって、人知を超えた能力に対する哲学的なスピーチがあったりするのがコーマン作品っぽいところではある。でも博士は自分の能力に困惑してるくせに「能力が弱まった」といって薬をすぐ使うし、薬の研究費が欲しいためやたら金にガメつく、しまいにはラスベガスでカードを透視して大勝ちするなど、まあ都合のいい展開が続いてばかりなんだけどね。「不法侵入者」などに比べれば劣るけど、娯楽作品として割り切ればそれなりに楽しめる映画なんじゃないでしょうか。

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