「LAMB」鑑賞

アイスランドの映画だよ。日本では9月公開だとか。以下は完全なネタバレがあるので注意。

舞台はアイスランドの人里遠く離れた山奥の農家。そこで羊を飼ったり農業を営んでいるマリアとイングヴァールの夫婦はある日、羊の一匹が奇妙な子供を産んだことを発見する。その子供に困惑しながらも、ふたりは自分たちの子供として育てることにするのだが…というあらすじ。

これだけではよく分からんね。要するに産まれた子供は羊と人間のあいのこのような存在で、人の体に羊の頭がついているような生物。マリアとイングヴァールにはかつて子供がいたことが示唆され、その娘にあやかってアダと名付けられた子供は両親に愛されて育てられていく。

物語は3章に分けられていて、アダの実の母親(つまりヒツジ)が子供を取り返そうとするのが第1章、第2章はイングヴァールのだらしない兄貴がふたりのもとにやって来て、第3章に登場するのは…。セリフも少なくてあまり多くのことが語られない作りだが、1つのテーマは親権争いになるのかな?アダの実の母親とマリアの確執とか。いちおうホラーという扱いだが、「ローズマリーの赤ちゃん」よりもフォークロア的な内容になっていて、人々はアダの姿を見ても誰も恐れたりせずに受け入れているし、アイスランドの美しい山々を背景にした映像が幻想的な雰囲気を醸し出している。

マリアを演じるのはノオミ・ラパス。スウェーデン人だがアイスランド育ちだそうで普通にアイスランド語で話している。監督バルディミール・ヨハンソンはハリウッドで「ゲーム・オブ・スローンズ」や「オブリビオン」に電気技師?として関わっているという不思議な経歴の持ち主だが、なんとこれアイスランド映画としては史上最も興収を稼いだ映画になったそうな。他にアイスランド映画ってどんなものがあるのか全く知らないのですが、こういう質の高いジャンル映画が作られるというのは、今後出てくる作品にもいろいろ期待ができるかもしれない。