「ソー:ラブ&サンダー」鑑賞

29本目のマーベル映画、となると観にいく方も流石に疲れてくるのでこないだの「ドクター・ストレンジ」は感想を書く気力がなかったのですが、これは忘備録的に感想をざっと:

  • 前作「ラグナロク」以上にコメディタッチの出来で、まあそういう作品だとポップコーン片手に観るのは悪くないんじゃないですか。
  • その一方で子供の喪失とか不治の病や恋愛といった真面目なテーマになるとまるで深掘りできてないのが明白で、全体的にメリハリのない作品になっていた。タイカ・ワイティティは「ジョジョ・ラビット」もそうだったが真っ当に向き合うべきところ他愛もないジョークを加えて逃げてしまうのが彼のスタイルというか弱点というか。人間関係については「ワイルダーピープル」のほうがずっと上手く演出できてたと思うんだがな。
  • この影響で脚本も一本調子で、子供たちがさらわれた!助けに行くぞ!だけ。2時間という尺は最近のマーベル映画にしては短いのかもしれないけど、もう一捻りあってもよかったのでは。ゼウスとの陳腐な掛け合いに時間を割いてるよりも。
  • ゴア・ザ・ゴッド・ブッチャーや女性版ソーが出てくるあたり、数年前のジェイソン・アーロン版のコミックに影響を受けているのは明らかだが、ゴアってもっと手強い敵じゃなかったっけ?3世代のソーを1年くらいかけてネチネチと痛めつけた、ここ最近ではかなりインパクトの強いヴィランだった覚えが。
  • そのゴアを演じるクリスチャン・ベールは相変わらず演技が巧い一方で、メークとCGで多分に加工された役を演じさせるのは勿体無い気もする。この映画、ベールに加えてナタリー・ポートマンとかラッセル・クロウなどいい役者が出てるのに、そのシナジーが生み出せてないのが残念。

あとはネタバレになりますが、ミッドクレジットに登場するキャラクターがやがてヘムズワース降板後のメインキャラになるのではと噂されてるけどどうなんでしょうね。まだ1つ隠し球が控えてると思うのだが:

というわけで冒頭に書いたように、気軽に楽しむ感じで観にいく分には悪くない作品。ただこの感じだと、ワイティティが企画しているという「スター・ウォーズ」作品はあまり期待できそうにないな。