「KINGS」鑑賞

NBCの新作ドラマ。現代アメリカに絶対君主制があったら…?といった感じの内容で、舞台となるのは架空の国ギルボアの首都シャイロ(露骨にニューヨーク)。そこに一代で王国を築き上げた王のサイラスは国民の大きな支持を集めていたが、他国との戦争が続いたことで国の経済状況は逼迫し、放蕩息子のジャックは隠れゲイであり、サイラス自身も妻との関係がうまくいっておらず愛人との間に隠し子をもうけているなど、王としてサイラスは数々の悩みを抱えていた。そんなある日、戦場で負傷して捕虜になったジャックをデビッドという青年が果敢に救出する。デビッドを気に入ったサイラスは彼を側近として迎え入れるが、宮廷におけるデビッドの存在はさまざまな愛憎劇を生んで行き…というのが大まかなあらすじ。

現代における宮廷ドラマというアイデアは目新しいけど、この架空の国の物語をどこまでリアルに描けるかが作品の出来に直結してるんじゃないですかね。サイラス王を演じるのは「デッドウッド」のイアン・マクシェーンで、「ギャラクティカ」のエドワード・ジェームス・オルモス並みの脂ぎった演技を見せつけてくれる。個人的には彼の狡猾な義弟をディラン・ベイカーが演じているのが嬉しいかな。

NBCがずいぶん宣伝に力を入れた作品で、パイロットは90分の長編だけどあいにく視聴率がふるわず、こないだ時間枠を移されたそうな。よって短期で終了になる可能性大。こういう大作ドラマというのはやはり地上波ではなくケーブル・チャンネルでしか成功できなくなってしまったんですかね。