ゴミ。カス。クズ。

この映画を観てるときにずっと考えてたのが「あの作品を映画化する意味はあったのか?」ということなんだけれども、悲しいかなその答えは最後まで見つからなかった。「V・フォー・ヴェンデッタ」もそうだったけど、原作に変に忠実になろうとして、物語の大まかな部分をとりあえずなぞって、ラストをちょっといじくるような映画作りをしてるんだったら映画化する意味なんて無いんですよ(そういう意味では原作とは別物になっていた「リーグ・オブ・レジェンド」は俺はそれなりに評価している。脚本家がジェームズ・ロビンソンだからというのもあるけど)。

致命的なのはやはり3時間弱という尺では原作の濃厚な、徐々に謎が明らかになっていく展開が描けてないことで、それでも登場人物の説明はしないといけないから彼らのオリジン話にばかり時間がとられていて、肝心の現代の話の展開が希薄になっているということ。原作をあれだけ特別な作品にしていた細かい描写が全部抜け落ちてるんだよな。いちおう4時間バージョンも後に公開されるらしいけど、たぶんダメでしょ。そして映像のペースもあの監督お得意のタルいスローモーションが延々と続くけど、アラン・ムーアって物語のペースに人一倍気を使う作家で、どこで話を速めてどこで緩くするかを緻密に計算してるんだが、それがこの映画では全て無視されてるような気がする。最後のロールシャッハ&ナイトオウル対オジマンディアズの格闘ももっと優雅なんだけどね。単なるアクション映画の格闘シーンにしてどうするんだよって感じ。

キャラクターの設定はドクター・マンハッタンが単なるデクノボーになってるのが一番気になった。彼は自分の運命を変えられないにしても、自分を操る糸を見ることができる存在であるはずなのに、この映画では他人に翻弄されてばかりの青チンコに成り下がってるんだよな。おかげでラストの展開も変な風になって、あの最も重要なセリフ(だと思う)「Nothing Ever Ends」を彼ではなく他の人物が言うという愚挙に出ているし。彼に限らず全ての登場人物に深みが欠けているような気がする。

最初に書いたように、映画として面白いのであれば原作に無理に従う必要はないと思うんですよ。かといって不必要な暴力描写や格闘シーン、ハリウッド好みのサントラをくっつけてもらっても嬉しくないわけで。この映画を観て、原作の奥の深さを改めて認識した次第です。

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