「100 BULLETS vol.10: DECAYED」読了

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現在続いているシリーズのなかでは一番お気に入りのアメコミ「100 BULLETS」の最新ペーパーバック「DECAYED」を読む。いわゆるクライム・フィクションの作品だよ。

全100話(予定)のうち68〜75話が収録されてるんだが、シリーズの残りも4分の1となって、今までの複数のプロットが一気に収束するようになってきた。今回は秘密結社「トラスト」内部での権力争いをバックグラウンドに、ミニットメンの1人であるジャックの覚醒と、最後のミニットメン「セイント」の登場&覚醒が描かれている(わけが分かんない人はちゃんと買って読むように)。

ブライアン・アザレロのストーリーもエデュアルド・リッソのアートも相変わらずトップレベルで読みごたえ十分なんだが、トラストとミニットメンの話を交互にもってくることによって全体的に散漫な感じになってしまったのはちと残念。前々巻の「THE HARD WAY」のようにタイトな物語展開を期待してたんだけどね。最後の第75話が一話完結でとても凝縮された話となっているだけに、これくらいの濃さが他の話にも欲しかったところです。まああくまでもこのシリーズの標準に対しての話であって、他のそこらの作品に比べればメチャクチャ濃い話が詰まってんだけどね。あと今まで何度も会話で言及されてて、いったいどんな奴なんだろうと非常に期待してた最後のミニットメン「セイント」が意外とさえない奴だったのにはガッカリ。

今回の話で登場人物が全て出揃ったはずなわけで、あとは最終話に向けてそれぞれの思惑が交差し、壮絶な殺し合いが繰り広げられていくんだろう。最後まで生き延びるのはいったい誰になるやら。どうも最近の話では、俺の好きなキャラクターが早くも死んでしまったらしい。ああ次のペーパーバックが出るのが待ち遠しい。