「恐怖のまわり道」鑑賞

こないだRotten Tomatoesのビデオキャストを観ていたらエロール・モリスが出て来て彼の好きな映画ベスト5を挙げておりまして、そのなかで「恐怖のまわり道」(Detour, 1945)なる低予算作品を史上最高のノワール映画だと讃えていたのが気になって、さっそくarchive.orgでダウンロードしてみたのであります。

物語の主人公はニューヨークのしがないピアノ弾きで、ハリウッドに行った恋人に会いたくなって西へヒッチハイク旅行をしていたところ、裕福そうな男性の車に乗ることに。そしたら何の因果かその男性が急死してしまい、仕方なしに主人公は彼の死体を隠して、彼の免許証を使って身分を偽り旅を続けることに。そして到着したカリフォルニアで1人の女性を乗せてあげるのだが、彼女は急死した男性のことをたまたま知っており、主人公が身分を偽っていることに対して恐喝をしてくるのだった…というのが大まかなプロット。

鬼女のごとく恐喝をしてくるアン・サヴェージの演技はなかなか迫力があるものの、まあ普通の作品かなあといった感じ。ストーリーの大部分が車中で進行していく点がイマイチなのかな。モリスに限らずアメリカでの評判は高い作品らしいけど、個人的にはさほど素晴らしい作品だとは思えなかった。

ちなみにモリスの最も好きな映画は、なんと原一男の「ゆきゆきて、神軍」なんだそうな!インタビューの対象が何を言い出すのか、まるで予想がつかない状況というのが彼にとっての憧れらしい。まあ確かに奥崎謙三が相手じゃ予想はつかんよな…。