「DOCTOR WHO: THE WATERS OF MARS」鑑賞

10代目ドクターが主人公のさらなる特番。今回ドクターが到着したのは2059年の火星。そこには人類初の基地が設置され、10人ほどのクルーが生活を送っていた。しかし火星の氷河を溶かした水を口にしたクルーが病原菌のようなものに冒され、体から水をしたたらせるゾンビのような怪物へと変化してしまう。そして水を媒介して次々と他のクルーたちが怪物になっていくなか、残された者たちは火星を脱出しようと必死に駆け回るなか、彼らの運命を既に知っているドクターは、時間の掟を守って歴史には干渉せずに基地を去ろうとするのだが…というのが大まかなプロット。

密閉された基地のなかでクルーが化け物になっていく、という展開はシリーズ2の「The Impossible Planet」そっくり。撮影とか脚本はしっかりしているしSF番組としては相変わらず出色の出来なんだけど、特番ということで大きな展開を期待していると弱冠の肩すかしをくらうかな。むしろ面白かったのは終盤、時間の掟を破ったドクターが勝ち誇った直後にその代償に直面するあたりで、近づいてくる自らの死を感じ取るようになった彼の姿が興味深い。

まあ今回は良くも悪くも次のクリスマス特番へのつなぎのような話であったわけで、ジョン・シム演じるザ・マスターが復活し、10代目ドクターの死が描かれるであろうクライマックスへの期待は高まるばかりなのであります。