ドイツ考

やっと日本に帰ってきた。あー疲れた。仕事的に見れば不毛な結果に終わったかもしれないけど、まあいいや。 フランクフルト以外はミュンヘンやベルリンに行ったんだけど、ドイツの全体的な印象としては緑が多くて通りがきれいに整理されている(ゴミもない) 一方、街のどこかしらで大きな工事が行われてて、古い教会なんかとモダンなガラス張りの建物が混在して建っているといったところか。これはつまり大戦で大方の建造物が爆撃されて空き地がたくさんできたことに起因してるんだろうけど、ほんの10数年前まではベルリンの壁があって殺伐としてたところにも現在はソニーセンターをはじめとする高層建築がボコボコ建っていた。ああいういうのを目にすると、「崩壊する新建築」という名を持ち、工具を楽器にするアインシュテュルツェンデ・ノイバウテンのようなバンドがドイツから出現したのか何となく理解できるような気がする。しかし東京だって同じ時期に焼け野原になったわけだが、その後の復興の仕方(町づくりとか)が全然違っているのは興味深い。木造とレンガ建築の違いなのかな。

あと人間的には前から感じてたとおり真面目な人間が多いというか、律儀に働いてる人が多かったように思える(昼間からビール飲んでるやつも多数いたけど)。悪天候でフライトの予定がトラブったときなんかも、かなりきちんと対処してくれた。このように厳格そうな国民性に加え、金髪で体のデカいねーちゃんが多かったこともあって、女囚映画ものにでてきそうなナチの女将校のイメージが俺の頭の中から離れなかったのであります。

自由な時間はあまり無かったけど、ベルリンの映画博物館を駆け足で観ることができた。やはり戦前のドイツ映画は最高すね。「メトロポリス」とか「カリガリ博士」なんて、スケッチ絵を見るだけでゾクゾクしてしまう。そして絶頂期のマリーネ・ディートリッヒの美しいこと!ヘルツォークなんかのニュー・ジャーマン・シネマがほとんど紹介されてなかったのは残念だけど、特別展示としてレイ・ハリーハウゼンの特集をやってたのでよしとしよう。あとはバウハウス美術館とかも行きたかったけど、まあいずれプライベートでまた旅行すればいいや。