よく考えるとこのストレートな邦題って不親切だよな。00年代が終わる前に観たかった作品。ポール・トーマス・アンダーソンって「ブギー・ナイツ」や「マグノリア」における「とりあえず最後にみんな泣く」的な演出が嫌いであまり好きな監督ではなかったのですが、これは面白かった。

満たされることのない欲を持った主人公が周囲の人間を不幸にしようともつき進み、20世紀の基礎となる産業を築き上げるさまは圧巻なんだけど、この映画が何を伝えたいのかはいまいち良く分からず…単純な「強欲の肯定」ではないよな。じゃあ信仰と欲の対比かというと、あの牧師を金にこだわる人物として描いたことでその対比も薄まってしまったし。結局のところ誰もが欲に動かされているということかしらん。

ダニエル・デイ=ルイスの怪演なしでは成り立たなかった映画だが、彼ひとりでストーリーを支える必要がなく、おいしいところだけ取っていけた「ギャング・オブ・ニューヨーク」での演技のほうが個人的には好きかな(世間が何と言おうと俺はあの映画が好きだ)。あとレディオヘッドのギタリストによる音楽が予想以上に良かった。映像の背後に埋もれず、もっと前に出てきて存在感を出しているスコアというのを久しぶりに聴いたような気がする。

多くの批評家が挙げているように00年代のベスト10に入るような作品かというと、必ずしもそういう気はしなくて、同年公開された「ノーカントリー」のほうが好きなんだけど、それでも十分に見応えのある作品であったことは間違いない。

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