「ASTERIX AND THE FALLING SKY」読了

フランスの人気コミック「アステリックス」シリーズの最新刊「ASTERIX AND THE FALLING SKY」を読む。日本では全然知られてないけど、これは40年以上も続いている傑作シリーズで、フランスではテーマパークが造られたほどの国民的作品なのだ。

んでこの「FALLING SKY」、イギリスのアマゾンなんかではずいぶん酷評されていたので覚悟して読んでみたんだけど…

うーん…

何というか…

これは「アステリックス」じゃないでしょ、という感じ。「アステリックス外伝」として読めば楽しめる作品、といったところか。シリーズの特徴であるスラップスティックさは健在だし、アートも活き活きとしていてそれなりに面白いんだけど、「アステリックス」らしさが欠けているというか、宇宙人なんか出してきてどうすんの、というのが正直な感想。

変にフェミニズムを持ち出した「Asterix and the Secret Weapon」と「Asterix and the Actress」や、カーク・ダグラス顔のスパルタカスが出てきた「Asterix and Obelix All at Sea」など、ここ最近のアステリックスのストーリーってあまり好きにはなれなかったんだけど、ついに宇宙人ですか…。最後の傑作が1987年に出た「Asterix and the Magic Carpet」というのは寂しすぎるぞ。アステリックスの原点である「ヨーロッパ各地を旅して暴れまわる」というストーリーには、旅する国が尽きたんでもう戻れないんだろうか。作者2人のうちゴスキニーはずいぶん前に他界し、ユデルゾも相当な高齢になったとはいえ、これが最後の作品ではないと明言しているようなので、次はぜひまたゲラゲラ笑える傑作を出してもらいたいものです。

ちなみにこの話に出てくる宇宙人は、善玉がディズニーで悪玉が日本のマンガの露骨なパロディになっている。どうもユデルゾはディズニーを尊敬していて、日本のマンガは嫌いらしい。こういったパロディは以前からシリーズによくあったし、俺はディズニーもマンガも嫌いなのでどうでもいいことですが。ただ「All at Sea」におけるカーク・ダグラスと同じで、作者の個人的趣味がうまくストーリーに昇華しきれてないのが残念なところか。

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