「コックファイター」鑑賞

モンテ・ヘルマンがロジャー・コーマン先生のもと、「断絶」に続いてウォーレン・オーツと組んで作った低予算映画。

闘鶏の世界を舞台にしたもので、闘鶏の最優秀賞を獲得するまで言葉を発しないことを誓った主人公が、ほぼ無一文の状態から家を売ってまでしてニワトリを手に入れ、大会に向けて着実に金と技量を手にしていくといった内容の作品。「断絶」同様にハリー・ディーン・スタントンも出てるぞ。

劇中ではウォーレン・オーツ演じる主人公が殆どセリフを喋らないのに彼によるナレーションがかぶせられていたり、シリアスな内容なのに陽気な音楽がついていたり、あまり話の筋と関係ない強盗のシーンがでてきたりと、全体的にチグハグな感じがするのは否めない。あといまいち主人公の強さというか成長ぶりが描けていなかったような。初めて闘鶏を観戦した恋人に、「あんたなんかニワトリ以下よ!」と怒られるラストはなかなか面白かったけど。

試合のシーンでは実際にニワトリ同士を戦わせたらしく、足につけられた鉄のスパイクが相手のニワトリに深々と突き刺さっている光景とかはちょっとショッキング。おかげでイギリスではずっと上映禁止の作品なんだとか。マイナーで血なまぐさいテーマを扱ったせいかコーマン先生の作品のなかでも儲からなかった部類に入る作品だが、逆になかなか目にかけないテーマを扱った映画だけに、物珍しさも加わって見応えのある作品になっているかな。

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