観てきました。平日の昼間だってのに会場は満席状態で、やはり若者が圧倒的に多かったです。ネタバレは極力避けるつもりですが、以下の文章にはそれなりにネタバレが含まれてますのでご注意ください。 今回の作品で「スター・ウォーズ」 の壮大なサーガがついに幕を閉じることになったわけだが、既に公開されたストーリーの「過去」を描くことって、「あのキャラクターの出生の秘密はこうだった!」などといった新鮮な驚きをファンに与えてくれる一方、既存のストーリーにつながるような内容にしていかなければならないわけで、それが逆に物語の展開を制限してしまうデメリットが生じていたと思う。
特に「エピソード3」ともなると前に2作、後ろに3作を抱え、新旧3部作の橋渡しの役割を務めざるを得ないために、どことなくせっつかれたような、少しこじつけに近いような感じのする部分があったものの、全体的な出来としては「エピソード1」&「エピソード2」をはるかに凌ぐ良作となっている。

まずストーリーは宇宙空間でのドッグファイトから始まるわけだが、相手となる通商連合やロボット独立軍の連中がまるで迫力がないため、ちょっと肩すかしをくらったような気分になる。特にロボットたちが珍妙な音を発してばかりいて、むしろ滑稽な感じさえしてしまう。「エピソード4」のデス・スター攻略に匹敵するような、手に汗握る戦闘機のファイトを新3部作でも観てみたい、という個人的願望はここに散ることとなった。
それからクリストファー・リー演じるカウント・ドゥークーとの戦いがあるわけだが、ここもちょっとイマイチ。「エピソード2」同様にリーの演技が固いので、どうも敵キャラとしての脅威が感じられないのだ。その後は戦艦の不時着シーンなどがあるものの、ロボットや宇宙船が飛び交うさまはコメディ映画「ロボッツ」を連想してしまった。

しかしナタリー・ポートマンことパドメが登場してから、話がグンと面白くなる。政治的な会話がしばらく続くが、ここに現実世界の政治を重ね合わせるのは野暮ってもんでしょう。共和国の崩壊を察知したジェダイ評議会とパルパティーンの駆け引き、およびその間に立つアナキンの姿がうまく描かれている。
その後はどんどん話が暗くなっていき、ジェダイの壊滅や帝国の誕生などの過程が明かされるわけだが、ここでは詳しく説明しない。皇帝の就任を目にしたパドメの「自由ってこうやって終わるのね。熱狂的な拍手に迎えられて」というセリフが良かった。ジャージャーも無言でいれば結構カッコいいじゃん。

そして話はクライマックスとなる、師弟同士の対決へ。ここは溶岩流のCGやライトセイバーの戦いなどを含めた全部が見事。この作品が優れている点は、前2作で徹底的に欠如していたヒューマンドラマの要素がきちんと存在していることに尽きるわけだが、弟子を思いやりつつも彼と戦うオビワン、パドメを護りたいがために心の闇にとりつかれたアナキン、そして悲劇のヒロインであるパドメの姿がきちんと描かれているので非常に面白い。「お前は選ばれし者だったはずなのに!」と叫ぶオビワンや、アナキンの衝撃的な最期(?)などのシーンは、冒頭の戦艦のシーンを撮った人とは別人が監督してるんじゃないの、という気がしてくるくらいに出来がいいのだ。

そして物語は「エピソード4」へとつながる感動的なラストを迎えて、「スター・ウォーズ」はここに完結する。どうもありがとう、ルーカス。

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上記したように話がせっつかれてるような部分もあるものの、逆に「エピソード1」のポッドレースのような、なんか冗長に感じられるようなシーンがないため、全体的に引き締まった形になっているのは良かった。話がグングン進んでいくような感じで、いくつかの話が同時進行する場面でも、うまい編集のおかげでストーリーの流れが途切れず、観てて飽きないのだ。ただし最後のヨーダとオビワンの会話(何故ジェダイは死んでも霊となって出現できるのか)はかなりこじつけ気味だったけど。コミック版ではうまく説明できていただけに残念。
あと「スター・ウォーズ」の特徴といえば特徴なのだが、引きのショットが多用されてるために、いくつかの細かい話の展開(オビワンがライトセイバーを落とすシーンとか)が観てて分かりにくいところがあった。とりあえず映画館の大きなスクリーンで観ましょう。

惜しむらくべきは、アナキンを演じるヘイデン・クリスチャンセンの演技力が前作から大して上達してないことか。相変わらず演技に柔軟性がないので、フォースの暗黒面に誘惑される心境や、パドメへの想いといった内面の変化をうまく表現しきれていないのがキツい。特にセリフまわしが下手なので、ユワン・マクレガーのような達者な役者との会話シーンでは、その演技力の差が顕著に出てしまっている。最後の怒り狂ったシーンは悪くなかったけど。

そして最大の不満を1つ…グリーバス将軍!お前弱すぎ!
ライトセイバーを4本抱えたその姿を公開前に見たときは「なんて残忍そうな敵キャラだ。これでジェダイたちをバッタバッタと倒していくに違いない」と期待してたのに、実際は猫背で喘息持ちのロボットだったとは…逃げることしか能がないというそのショボさは、通商連合の連中に匹敵するものがある。

個人的にはノスタルジアを感じてしまう都合上、どうしても旧3部作には匹敵する出来だとはいえない作品だが、「エピソード1」&「エピソード2」で失望した人たちにもぜひ観てほしい作品になっている。

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