「TREME」鑑賞


TREMEと書いて「トレメ」と読む。「トリーム」じゃないよ。

「ザ・ワイヤー」においてボルチモアの困窮を鋭く描いたデビッド・サイモンによる新たなシリーズで、舞台となるのはハリケーン・カトリーナに襲われてから3ヶ月後のニューオリンズのトレメ地域。水害により住人たちは苦しい生活を余儀なくされていた。それでも従来の暮らしを取り戻そうと、少しずつ街を再建していこうとするのだが…というような内容で、その日暮らしのトロンボーン奏者やその元妻、避難先から戻ってきたマルディグラ・インディアンのチーフ、「洪水は人災だ!」と激高する大学教授、反体制的なDJといったさまざまな登場人物の生活が交差していくさまが描かれていく。

出演する役者は「ザ・ワイヤー」のウェンデル・ピアースやクラーク・ピーターズをはじめ、カンディ・アレキサンダーやメリッサ・レオといったサイモンの過去の作品に出てた人たちのほか、ジョン・グッドマンやスティーブ・ザーンといった有名どころも顔を連ねている。またニューオリンズの音楽シーンが多分に描かれているだけあって、エルビス・コステロやドクター・ジョンといったミュージシャンもカメオ出演するみたいだ。

第1話を観た限りでは、「ザ・ワイヤー」よりも弱冠ストーリーが明るくて小ぢんまりしてる感じかな。もちろんここから話がいろいろ発展してくのでしょうが、字幕が無いと相変わらずスラングとかが聞き取りづらいので、いずれDVDのボックスセットがでたらまとめて観ようかな。

しかし昨年放送が始まったときは「外国での物語」としか考えてなかったけど、こないだの震災を経験したあとでは、災害から立ち直ろうとする人々の姿を観ると複雑な気分になってしまうなあ。むろん被害の規模はケタ違いなんだけど、この番組のキャッチコピー「WON’T BOW, DON’T KNOW HOW(屈したりはしない、やり方も知らない)」はいまの我々にも通じるものがあるわけで、いずれ東北の被災地も立ち直ってテレビドラマとかが撮影されるようになって欲しいところです。

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