通称「真実を伝えるウソのニュース番組」。コメディ専門チャンネルの「コメディ・セントラル」で放送されているニュース番組…ということはつまりコメディ番組なのだけど、最新のニュースを分かりやすく説明したうえで痛烈に風刺するスタイルが人気を呼び「普通のニュース局よりもためになる」とまで言われるようになった番組。以前はクレイグ・キルボーンが司会をキャスターを務めていたが、1999年にジョン・スチュワートに代わってから人気がグングン上がっていくようになった。 番組の形式はまず最新のニュースをスチュワートが伝えることから始まり、話題の政治家や芸能人のクリップに彼が絶妙なツッコミを入れて徹底的に風刺していく。また他局のニュース報道もよくコケにして、特に極右で知られるフォックス・ニュースなんかは格好のえじきにされているようだ。それから世界各地の“特派員”たち(本当はスタジオのブルースクリーンの前にいるだけ)とのやりとりが行われ、ここでも政治や芸能、宗教といった幅広いネタが風刺されていく。政治家のウソやメディアの偽善に鋭くツッコミながらジョークを入れるスタイルは、観てて爆笑するとともに胸をスカッとさせてくれる。真面目なニュース局と異なり、あくまでもコメディという立場をとっている「デイリーショー」のほうが、変に信用性とか確実性にこだわらずに事の真相を突くことができるというのはちょっと皮肉。

番組の後半にはゲストが登場してスチュワートと談話するのだけど、このゲストが実に多様で、ハリウッドの芸能人をはじめポール・クルーグマンのような学者やコリン・パウエル、ジョン・ケリー、はてはビル・クリントンといった政治家たちまでがやって来て興味深い話を聞かせてくれる。ここで感心するのは、元来コメディアンであるスチュワートがきちんと政治や経済情勢について下調べをしてきて、ゲストの専門的な話にもちゃんとついていっているところ。彼の明晰さはかなりのものがあり、特にCNNの討論番組に出演して司会者2人と真っ当に議論したことは語り草になっている。俗っぽいニュース番組でおざなりの司会をやってる日本の漫才師たちとはケタが違うのだよ。

番組では民主党も共和党も関係なくコケにするものの、そのスタイルは明らかにリベラル寄り。これは観客も同様で、ブッシュ批判のジョークが決まると大きな歓声を上げたりする。日本ではいまだに「電波の公共性」なんて唱えて放送内容の公平さを求める人がいるけど、放送局なんて結局は視聴者よりもスポンサーや政治家の顔色しかうかがってないんだから、むしろどの局も政治色・スポンサー色をハッキリと打ち出し、視聴者に腹の内を見せたほうがいいんじゃないでしょうか。まあアメリカでも地上波ネットワークでは報道の縛りがキツいのかもしれないが。

この番組の面白さをうまく文章で説明できなくて申し訳ないが、このサイトに過去のクリップがいろいろ置かれているので、興味があれば観てみてください。

ちなみにテーマ曲「火のついた犬(DOG ON FIRE)」はボブ・モールドが作曲で演奏がゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツという、ちょっと意外な組み合わせによる軽快な曲になっている。

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