「The Nine Lives of Chloe King」鑑賞


これまたABCファミリーの新作。ヤングアダルト向け小説が原作みたい。

ウクライナの孤児院から養子にとられ、サンフランシスコで育ったクロエ・キングは普通のティーンの女の子だったが、16歳の誕生日を迎えたあたりから体に異変が起こり、常人離れした敏捷性や体力や聴力などを持つようになったほか、指先からは鋭い爪が出てくるようになったのだ。こうした変化に戸惑う彼女だったが、すぐに何者かに命を付け狙われるようになる。それによって命を落としたかのように思えた彼女だが、すぐに息を吹き返し、自分が古代から続く特別な能力をもった種族の末裔であり、その種族を抹殺しようとしている組織があることを、彼女の前に現れた同じ種族の者たちから教えられる。こうしてクロエは普通のティーンの暮らしをしながらも、彼女を狙う者たちと戦うことになるのだった…というような話。

まあ所詮はABCファミリーの作品なので、シリアスな場面とか難しいプロットとかはあまりなくて、すごい能力を身につけた女の子が悪をやっつけて活躍するような内容になっている。予算もないんで凝ったVFXとかも無いけど、そのぶん気楽に観られる作品になっているかな。最近流行りの「普通の人がスーパーパワーを身につける作品」としては「THE CAPE」や「NO ORDINARY FAMILY」よりも楽しめるんじゃないの。ABCファミリーのアクションものとしては「THE MIDDLEMAN」には遠く及びませんが。

なおクロエの種族は「普通の人間とキスをすると相手が死ぬ」という意味不明な能力を持っているほか、クロエはそのなかでも「選ばれし者」なので9つの命を持っているという設定になってるんだが、それってストーリー上どうなんだろう。主人公がどんなピンチに陥っても「あと8回死ねるからいいや」といった感じでスリルが削がれたりしないんだろうか。ここはやはりオシシ仮面のように、主人公が死んだら身内が後を継ぐようにして…。