日本時間で明日の今頃にはゴールデングローブ賞の結果が発表され始めてるのかな。アカデミー賞よりも気楽な感じでテレビと映画のひとたちが一緒になって祝い合うという意味では決して嫌いな賞ではないのですが、受賞者を決定するハリウッド外国人映画記者協会(HFPA)って調べれば調べるほどウサンくさい団体であるような気がするので、その気になる点についていくつか書いてみる:

・そもそもHFPAの創立の理由が、ハリウッドのスターたちと懇意になりたい記者たちが「ねえねえ、賞をあげるから仲良くしてよ」という考えから生まれたもので、その時点でハリウッドとズブズブの仲であったわけだ。そして授賞式がディック・クラーク・プロダクションにより派手なショーにされてNBCで放送されることにより、その知名度と影響力は大きく上がっていく。

・『外国人』映画記者協会といいつつも、HFPAのメンバーになる条件の1つに「南カリフォルニアに住んでること」というのがある。そりゃハリウッドに近いところに住んでれば便利だろうけど、国際性を強調してるような名前の意味が無いのでは。また公式サイトのメンバー表を見ると「Jean E. Cummings」という人が日本担当の1人になってるのですが…誰だこれ?

・彼女に限らずHFPAのメンバーは素性が不明な人が多いことでも有名で、90数名いるメンバーのうち活動内容がネット上で明らかになってるのは10名ほど。彼らがメンバーであり続けるためには、自分の記事が年に最低4回は何らかの出版物に掲載されることが条件になっているのだが、何をもって出版物と定義するかをHFPAは公表いていない。つまり田舎のコンビニに置いてあるようなフリーペーパーでもHFPAが「出版物」とみなせば、それに年に4回寄稿するだけでメンバーの資格は保持できるわけだ。

・HFPAのメンバーの多くが実は映画ジャーナリストではない、というのも以前からよく語られてきた話で、不動産業者やヘアドレッサー、車のセールスマンなども含まれるという話を聞いたことがあるが、いかんせん素性が不明なので何ともいえんな。メンバーシップが世襲制だという噂も耳にしたが、たぶんこれは事実ではないだろう。ただし加入条件が『現メンバーの2名以上の推薦があり、他のメンバーから反対票が投じられないこと」という実に身内に有利な条件であるため、実際に何が起きてるかは分かりませんが。

・アカデミー賞の会員数が数千人いるのに対し、HFPAは常にメンバーの数を100人以下に絞り、ハリウッドからの厚遇を受けてきた。有名な話では81年にピア・ザドラの金持ちの夫がメンバーを買収して彼女に新人賞を穫らせた(彼女は子役出身であり新人でも何でもなかった)という出来事があって、さすがにこれでバッシングを受けたHFPAはハリウッド受けられる接待の条件を制限したらしいが、それでもハリウッドからの厚遇は続き、昨年「ツーリスト」がコメディ部門にノミネートされて論議を呼んだソニーもメンバーをラスベガスに招待して相当のおもてなしを与えたらしい。

…とまあハリウッドのお手盛り、と言われても仕方が無いような団体であるわけですが、いちおうHFPAの弁護もしておくと、彼らが得ている収益の多くは映画関係のチャリティに寄付されているようだし、昨年の震災に対しても寄付があったらしい。それに判断基準がどうであれゴールデングローブを受賞する作品が結構まともである例も多く、特に数年前にイギリス版「THE OFFICE」が受賞したことであの番組の知名度が飛躍的に上がったことは非常に良かったと思う。

とはいえ上記のとおりウサンくさい団体が選んでいる賞であることは承知しておくべきでしょう。昨年あれだけ物議を醸したリッキー・ジャヴェイスを続いて司会に起用するあたり、HFPAも冗談が分かってきてるような気がするけどね。これを威厳のある賞のように持ち上げてるマスコミにはムカつきますが。また今年からメンバーに加わった日本人ライターがその厚遇ぶりを書いているが、これって裏を返せば他のジャーナリストには不公平な扱いをしているってことだよねえ。まあ誰だってスターとお友達になりたいわけで、彼らが特権にこだわる気持ちは分からんでもないですが。

ちなみにHFPAがこの時期に授賞式を開催するのは、アカデミー賞の投票のタイミングにあわせて作品にハクを与えるためなのですが、昨年あった噂で面白かったのが「アカデミー賞がゴールデングローブ賞をぶっ潰すために授賞式の開催日を早める」というもので、もしこれが実行されてたらHFPAの影響力も大きく変わってたのではないかと。

こんなことを考えつつ、明日の受賞結果に思いをはせる次第です。

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