NBCが贈る年配者向け「GLEE」。プロデューサーにはスピルバーグも名を連ねている。

ニューヨークのブロードウェイでのミュージカルの裏側を描いたもので、ソングライターの二人がマリリン・モンローをテーマにしたミュージカルを作ることを思いつき、離婚調停中のプロデューサーのもとで才能はあるんだけど女たらしの演出家を雇い、マリリンによく似た女優を主演に起用しようかと思ってたら抜群の歌声を持った無名の女の子が現われて…といったストーリー。これに登場人物の私生活とか恋愛関係とかが絡んできて、ちょっと昼メロ的な展開になっていくみたい。

当然ながら歌って踊るナンバーがいろいろ出てくるんだが、ミュージカルを題材にした作品なのに躍動感が致命的に欠けているのはいかがなものかと。「GLEE」との比較が妥当なものかは分からないが、あちらは学校で蔑まれている生徒たちがステージの上で輝こうとする意欲がきちんと描かれ、高校生らしかぬ派手な踊りと演出が楽しかったのに対し、こっちはプロもしくはセミプロの人たちが「いつもの仕事」をしているという感じで、どうも話にフックがないんだよな。いちおうウェイトレスをしながらスターを夢見る女の子というのも出てくるんだけど、必死になってスターになってやるといった意欲が全然感じられないのですよ。ミュージカルの題材がマリリン・モンローだという点もあまり深い理由はないし、なんか凡庸だよねえ(話中でも「マリリンなんてみんなやってるじゃん!」といったツッコミがされている)。

それと映像が全体的に暗くて地味なのも役立ってないな。2時間のアートっぽい映画ならいいかもしれないが、TVシリーズとしては「次回も観たいな」という気にならない出来になっている。期待してなかった無名の女の子が歌いだして、演出家が「おっ」となる演出もクサい限りだし。

内容のわりに出演者はそれなりに豪華で、デブラ・メッシングにジャック・ダヴェンポート、アンジェリカ・ヒューストンのほかディラン・ベイカーがチョイ役で出てたり、後にはユマ・サーマンも出てくるらしい。無名の女の子を演じるキャサリン・マクフィーって人が細めのレイチェル・ワイズって感じで結構いいなと思ったんだけど、「アメリカン・アイドル」で有名になった人なんですね。

キャストやスタッフに一流どころが揃ってるのに、どうも満足感を与えてくれない出来の作品であったよ。スピルバーグがプロデューサーの作品なら「Locke & Key」のパイロット版をシリーズ化したほうが面白かっただろうに。低迷が続くNBCを救う番組にはならないであろう。

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