「DEREK」鑑賞


チャンネル4でやったリッキー・ジャヴェイス脚本・監督・主演の番組。パイロット番組という扱いで視聴率も結構良かったらしいけど、内容が内容だけにシリーズ化はされないんじゃないかな。

主人公のデレクは知恵遅れの中年男性で、老人ホームで雑用をしながら日々を過ごしている人物という設定。同じく老人ホームで働くハンナやダグラスといった同僚たちや老人たちとのやりとりが、ユーモアとペーソスを交えて描かれていく…というか笑えるところは殆どなかったような。全体的にまったりとしたドラマ仕立てになっている。ちなみにダグラスをカール・ピルキントンが演じてるぞ。演技をするのは初めてらしいけど世捨て人っぽい雰囲気がよく似合っていた。

放送前から「知的障害者を笑いの種にしてるのではないか?」と論議を巻き起こした番組だけど、実際に観てみるとデレクの描写とかはしっかりしていて差別意識などは感じなかったな。ただジャヴェイスが知的障害者を演じることにあざとい感じがすることは否めなくて、「トロピック・サンダー」に出てきた「Go full retard」をやってしまってるような印象を受ける。男運に恵まれないハンナとか、ラストで死んでしまう老人とか、展開もかなりベタなんだよね。

しかしベタとはいえ話のツボはきっちり抑えていて、社会の底辺で暮らす人たちの悲哀をうまく描いてるので最後はちょっとウルッときてしまいましたよ。エリック・サティなどのBGMの使い方も秀逸だし、「セメタリー・ジャンクション」リッキー・ジャヴェイスはコメディだけの人じゃないんだよ、ってことがよく分かる小品ですかね。

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