「Wizards vs Aliens」鑑賞


「ドクター・フー」のリブートを主導したラッセル・T・デイビスによる新作シリーズ。

トム・クラークはサッカー好きの普通の少年だったが、実は彼は魔法使いの家系の出身であり、彼も未熟ながら魔法が使える少年だった。そんなとき魔法をエネルギー源とするネクロスという宇宙人がやってきて、地球上の魔法使いから次々とパワーを吸い取ってしまう。そしてネクロスの脅威はトムにも及び、彼は同じく魔法使いのおばあちゃんや、科学オタクの同級生ベニーの力を借りてネクロスに立ち向かうのだが…というようなプロット。

The Sarah Jane Adventures」と同じく子供向けのチャンネルCBBCで放送されてる番組なので、内容は完全にローティーン向け。というかこれ内容が殆ど「Sarah Jane」そのまんまじゃ…。主役のエリザベス・スレイデンが他界したことであっちのシリーズが続けられなくなったので、看板だけ変えて新しいシリーズ立ち上げました、というような感じ。脚本もどうも流用しているらしい。

とはいえ「Sarah Jane」くらい面白いのかというとそうでもなく、やはり強力な主役がいないために凡庸な内容になっていることは否めない。トム君はティーンなのに老け顔だし頭悪そうだし、ネクロスも典型的な子供向け宇宙人といったところで新鮮味がないし。1つの宇宙人の種族と戦うだけでどこまで話が続けられるかも不明だな。

ラッセル・T・デイビスから「ドクター・フー」を引き継いだスティーブン・モファット好きの人々による、デイビスの作品へのバッシングはかなり不当だと個人的には思ってまして、彼の「ドクター・フー」への貢献はもっと評価されてもいいと思うのですが、このシリーズを観る限り彼ってやはりキャンプ趣味な作風に走るところがあって、それが10代目ドクター後期の失速につながってたのかもしれない。「トーチウッド」のシリーズ3みたいにシリアスな大人向けの作品も十分に書ける人なんだけどね。

とりあえず「Sarah Jane」観たんだったらこっちは観なくてもいいや、という程度の作品。デイビスは頑張ってもういちど「トーチウッド」を復活させましょう。