「Doctor Who: The Snowmen」鑑賞


今年のクリスマス・スペシャル。新しいタイトルシーケンスは効果音がバチバチうるさい気がするものの、ドクターの顔が映るようになってオールドファンには嬉しい限り。リブート後はこれが欠けてたんだよなあ。

舞台となるのはビクトリア王朝時代のイギリス。前の話でエイミーとローリーを失ったドクターは失意にくれてロンドン上空の雲の上にとどまっていたが、友人のエイリアンたちの依頼を受け、雪ダルマが人を襲うという事件の調査に乗り出す。そしてその過程でクララという少女に出会ったドクターは、彼女と一緒に(というかつきまとわれて)事件の黒幕であるシメオン博士のもとに向かうが、さらにその裏には謎の存在が潜んでいて…というような話。

話が1話で完結していた過去2年のクリスマス・スペシャルに比べ、前の話のトラウマを引きずったドクターが新しいコンパニオンに出会い、彼女の謎を追うことになるという続き物の要素が強い内容になっている。

動く雪ダルマを使って人を襲撃させるシメオン博士を演じるのがリチャード・E・グラントで、ここは8代目ドクターと「ウィズネイルと僕」のコンビ復活とならなかったのが残念ですな。さらに博士の背後にいる黒幕の声をイアン・マッケランがあててるのですが、「ホビット」観たあとなので悪役というよりも温厚な老人の声にしか聞こえなかったよ。

ストーリーも決して凝ったものではないのですが、とはいえ面白くないのかというとそんなことはなく、演出が巧みなためにファンならずとも楽しめる内容になっている。雲の上に乗ってるターディスなんて普通のエピソードではまず目にしない設定だけど、幻想的でクリスマスの雰囲気にはよく似合ってますな。

ファンの方ならみんなご存知のとおりシーズン7第1話に出てきた「スフレ・ガール」と新コンパニオンのクララは同一人物であり、はたして彼女は何者か?というのがシーズン7後半のプロットになるみたい。それはそれで結構なのですが、シーズン5〜6に出てきた謎(サイレンスとか、「宇宙最古の質問」とか)ってまだ解明されてないよね?以前の伏線が回収されてないのに、新たな謎が出てくる展開には少し不安を憶えてしまうのです。すべて見事に解決してくれればいいのですが。