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新作「RESCUE DAWN」が今度やっと公開されるヴェルナー・ヘルツォークの初期の作品「カスパー・ハウザーの謎」を観る。

日本でも有名なカスパー・ハウザーの謎についてはウィキペディアあたりを読めば分かるが、この作品では彼にまつわる陰謀論などは殆ど取りあげられず、長い監禁状態から突然としてドイツの町なかに置き去りにされたカスパーの姿をひたすら淡々と追っていく。主人公がアグレッシヴでなく受動的という意味での「アギーレ」や「フィッツカラルド」よりも「神に選ばれし無敵の男」に通じるものがあるかな。カスパー同様に精神状態がアレだったミュージシャンのブルーノ・Sが演じるカスパーは非常に印象的なものの、いかんせん話にメリハリがないのがキツい。「文明社会におけるタブラ・ラサな人物」というテーマが奥にあるんだろうが、ヘルツォークが2年前に撮った大傑作「アギーレ」(こないだポスター買っちゃいましたよ)に比べるとひどく地味な感じがするのは否めない。室内や市街地での撮影が多くてヘルツォークの素晴らしい自然描写もあまり見られないし、音楽もポポル・ヴーではないのが残念なところ。

IMDBなんかではやけに高い評価を得てるみたいだけど、ヘルツォークの作品としてはあまりオススメではないと個人的には思う。

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