
リチャード・スタークの犯罪小説「悪党パーカー」シリーズを原作にしたダーウィン・クックのコミック第2弾「The Outfit」のプレビューが公開されていた。
俺が知る限りこれはシリーズ第3作を原作にしたもので、クックは以前に語っていたとおり第2作目の「THE MAN WITH THE GETAWAY FACE」は割愛することにしたのかな。今回の主人公パーカーは整形手術をして新しい顔を得たという設定なので、第1作と主役の顔が変わっているというのがコミックでは特に強調されて奇妙な感じがするね。個人的に前作は必ずしも満点の出来ではなかったけど、ダーウィン・クックは非常に好きな作家なのでこれもいずれ買うことになるかな。
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巨星墜つ。アメコミ画家といよりもイラストレーターの人でしたが、彼のアートの影響がアメコミや映画に与えたものは多大なものがあるかと。ジョージ・ルーカスなどにも影響を与えているはずだし、彼が表紙を手がけたことで「コナン」シリーズの売上が大幅に伸びたなんて逸話も読んだことがあったっけ。彼のスタイルは上の「Death Dealer」のようなマッチョなものが有名ですが、まだ駆け出しの頃に描いてたコメディ漫画とかでも、そのレイアウトとか人物描写は卓越したものがあったんだよな。アメコミでペインテッド・アートを用いる人は多いけど、彼みたいなヒロイック・ファンタジー向けのアートを描く人はずいぶん少なくなったような気がする。リチャード・コーベンとかサイモン・ビズリーとかも最近は画風がずいぶん変わってしまったし。
リンク先の記事によると晩年は認知症になっていたり親族内での権利争いなどがあって苦労してたみたいだけど、その作品はこれからも長く人々をインスパイアし続けるであろう。合掌。
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俺もよく知らなかったんだけど、アメコミ界のキングことジャック・カービィは70年代後半から80年代にかけてコミックを離れてアニメーション・スタジオで働いていた時期があったそうな。そのうちの1つであるルビー=スピアーズというスタジオのためにいろいろなキャラクターのコンセプト・アートをカービィは描いていて、それらの作品がこんどフランチャイズ化されることになったらしい。
いろいろ描かれたキャラクターのなかには赤毛の女性版インディ・ジョーンズともいうべき「ロキシーズ・レイダース」や、キャプテン・アメリカのごとくシールドを持ったヒーロー「ゴールデン・シールド」なんてのがいて、どことなくバッタもんのような感じもするものの、カービィの力強いデザインを見ていると「2012年に世界を破滅から救おうとする古代マヤ族の戦士!」なんて設定がとてもカッコ良く思えるのですよ。
具体的にこれらのキャラクターがどうメディア展開していくのかは不明だが、このルビー=スピアーズの人たちはカービィの才能を絶賛する一方で「彼はあくまでも雇われ人だったので、作品の権利は明らかに我々にあります」なんて喜々として言っているのが鬼畜だなあ。なおカービィがマーヴェル・コミックスで生み出した有名キャラクターたちの権利についてはこないだ遺族がマーヴェル相手に訴訟を起こしたんだとか。
まあ何にせよこうしてカービィの知られざるキャラクターたちに脚光が当たったのは嬉しいことなので、今後の展開に期待したいところです。
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77歳だと。80年代からアメコミを読み始めた俺のようなファンにとっては、DCコミックスのナンバー2として、社長のジェネット・カーンとともに「ダークナイト・リターンズ」や「ウォッチメン」を世に出した偉い人なんでありますよ。
邦訳もされた「The Greatest Batman Stories Ever Told」の序文によると、喘息で病気がちだった子供の頃に父親が「バットマン」を買ってきてくれたことがきっかけでコミックスに魅せられたそうだが、その人生のすべてをコミックスに捧げたわけで、60年代にはチャールトン・コミックスの編集長としてザ・クエスチョンやブルー・ビートルといったキャラクターが生まれるきっかけを作ったんだよな。またアーティストとしても第一線で活躍した人で、特にインカーとして肉厚なベタ入れを得意とし、ニール・アダムズやジョン・バーンなどの画を映えたものにしてたっけ。むかしイタリアあたりのコミックを眺めてたら、彼のスタイルにそっくりな作品を見かけて驚いたことがある。
会社側の人間としてクリエイターの権利を認めることには否定的な態度をとってたそうだけど、アメコミに多大な貢献をした人であることは間違いない。合掌。
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アンダーグラウンド・コミックの始祖、ロバート・クラムが旧約聖書の「創世記」を描いた本。
なぜクラムが聖書を?というのは誰でも考えることで、アンダーグラウンド・コミックに影響を与えたベイジル・ウルヴァートンが晩年に宗教に目覚めて聖書の物語を描いた例が過去にはあるけれど、クラムの場合はそうした信仰の目覚めみたいなのがあったわけではなく、むしろ「聖書は神の言葉などではなく、人間の言葉だと私は考えている。それが長年のうちに聖職者たちによって編集され、彼らにとって都合のいい内容に変えられてきたのだ」と序文で明記している。どうも最初はアダムとイブの話だけを描く予定だったのが、聖書の話に興味を持つようになって5年かけて「創世記」を描きあげることになったらしい。
クラムが聖書を人間の言葉だと考えているからってアンチ宗教のような解釈は一切されておらず、むしろ表紙に「NOTHING LEFT OUT!」と書かれているように、「創世記」の出来事をすべて残らず緻密に描いた内容になっている。執筆にあたっては複数の版の聖書を研究し、当時の人物の衣装なども調べ上げる懲りようだったとか。
そして中を読んでみると分かるんだが、「創世記」で語られる物語は殺人・姦淫・裏切り・妬み・権力争いなどなど、今までクラムが描いてきたコミックと実は内容があまり大差なかったりする!白髪の老人という古典的な姿で描かれる神様(焼けた肉がお好き)は最初のほうは自分の創ったアダムとイヴを追放したり、洪水で人物の滅亡を図ったりとかなり理不尽な行為を重ねているものの、やがて人の夢とかに出てきて理不尽なお告げを与える存在という裏方にまわり、話はむしろノア・アブラハム・イサク・ヤコブ・ヨシュアといった男たちの(必ずしも宗教的ではない)年代記へと変わっていく。
そこで語られる話においては、割礼されていない男や子供を生まない女はまっとうな人間として見なされないし、父を騙して兄の代わりに祝福を受けたヤコブが公明な人間として描かれるなど、現代の観点からすると疑問に思われる箇所がいろいろ出てくるわけだが、当時のものの考えを知ることができるのが面白い。またクラム自身が奇妙に思った箇所については最後に解説がつけられていて、そもそも当時は女性を上位とする文化が栄えていたものの、やがて家父長制が台頭してくるようになり、それに合わせて聖書が書き換えられたために物語に歪みが生じたという推測をしているのが非常に興味深い。
何世代にも渡る物語が200ページ以上にびっしりと描かれているのはなかなか圧巻。クラムのイラストの素晴らしさは説明する必要もあるまい。いかんせんボリュームが大きいうえに話が淡々としているので読み進めるのには根気がいるかな。ロバート・クラムの入門書(あるいは聖書の入門書)としては必ずしもお薦めできないが、彼のファンならぜひ手にとってほしい大作。ニューヨーク・タイムズのベストセラー・リストを独走していることから察するに、本国ではクラムのファン以外にも好評をもって受け入れられているみたい。

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