breakingbad.jpg

俺も最近まで存在を知らなかったんだが、アメリカにはAMCなる有料チャンネルがあって、もともとはクラシック映画などをチマチマと流している局だったのが、50年代の広告業界を舞台にしたオリジナル・シリーズ「MAD MEN」が昨年高い評価を得たことから急に注目を集めることになったらしい。そしてそのAMCの新作シリーズ「BREAKING BAD」がiTunesストアで売られてたので早速入手。

主人公のウォルター・ホワイトは、ニューメキシコの高校で長らく化学を教えているさえない教師。妊娠中の妻と脳性麻痺の息子を抱え、家計を助けるために洗車場でバイトするというしがない生活を送っていた。そんなある日、胸に異常を感じて卒倒したウォルターは、タバコを吸ったこともない自分が末期の肺がんに冒されていることを知る。心のなかで何かが吹っ切れるウォルター。彼は麻薬取締官の義弟に頼んで見せてもらった麻薬取り締まりの現場から、近所で有名な売人がかつての教え子ジェシーであることを知り、ジェシーに意外な提案を持ちかける:自分が麻薬(アンフェミン)を精製し、それをジェシーが売りさばくというのだ。そこで2人は中古のキャンピングカーを購入し、それを移動式ラボとして砂漠の真ん中でアンフェタミンの精製にとりかかるが…というのが第1話のプロット。

基本的には犯罪ものというよりブラックなコメディで、妻子に金を残すため麻薬ビジネスに手を染める中年男の悲喜劇がうまく描かれている。似たような設定のドラマに、住宅地でマリファナの売人をやってる主婦が主人公の「WEEDS」があるが、あれよりもっと滑稽な感じ。不治の病を知って吹っ切れる中年男というプロットは決して新しいものではないものの、「服が薬品臭くなるから」ということでパンツ一丁になり、化学の知識を生かしてめちゃくちゃ高純度のアンフェタミンを精製してしまうウォルターの姿は非常に痛快。ウォルターを演じるブライアン・クランストンは「マルコム in the Middle」のパパさんを演じてた人だが、あのときの脳天気なイメージをかなぐり捨てて、ウォルターの悲哀を熱演している。

とにかく全体的にクオリティが非常に高いドラマ。アメリカではマイナーなケーブル局でもこれだけのものが作れてしまうのに、どうして日本のテレビ局は凡庸なものしか作れないんですかね。

Trackback

no comment untill now

Add your comment now