
良い評判を目にしたクライムサスペンス映画。以下はネタバレ注意。
舞台はニューヨーク。ニキは絶対音感を持ったミュージシャンだったが聴覚過敏症のため日常の騒音に耐えきれず、音楽の道を諦めて師匠のハリーのもとでピアノの調律師として働いていた。そんな彼はふとしたことがきっかけで、自分に金庫破りの才能があることに気づく(ダイアルを回した際のかすかな錠の音を感知できるので開ける番号が分かるという仕組み)。そしてハリーが入院したことで医療費などが必要になった彼は、泥棒の一味に誘われて金持ちの家の金庫破りを手がける事になるのだが…というあらすじ。
常に耳にイヤホンを突っ込んでいる主人公(ニキの場合はノイズをキャンセルするためのもの)が、その特殊な才能に目をつけられて犯罪に加担させられるという内容は「ベイビー・ドライバー」に似ているという指摘が本国では挙がっているものの、あっちのような派手さはなくて、もっと落ち着いた古典的な感じのサスペンスになっている。主人公が軽い感じで犯罪に手を染めて抜け出せなくなっていく過程がなかなか見応えあり。
監督のダニエル・ロアーって「ナワリヌイ」でアカデミー賞を獲得しているドキュメンタリー畑の人だそうだが、初のフィクション作品となる今作でも手慣れた撮影アングルなどを駆使して良い出来に仕上げている。主演のレオ・ウッドールもよく知らない俳優だったけど、若い頃のライアン・フィラピーを彷彿とさせるルックスだね。あとは師匠のハリー役を久しぶりに見たダスティン・ホフマンが演じていて、重要な役かと思ったらあまりそうでもなかった。むしろ後半に出てくるジャン・レノのほうが印象的かも。大物ジャズ・ミュージシャンも本人役でちょっと出てます。
全体的に手堅い作りのよく出来たサスペンス。予告編はかなりネタバレしてるので見ないほうが楽しめるでしょう。



