ダーレン・アロノフスキーって「ファウンテン」や「レスラー」と続いてちょっとは明るい人になったかな?と思ってたのですが(あくまでも以前の作風に比べてだけど)、これは「レクイエム・フォー・ドリーム」の悪夢路線を踏襲する内容になっていた。

独特の雰囲気を持った非常によく出来た作品ではあるんだが、少女マンガを読んだり昼メロを観たあとにどっと疲れが出るのと同じで、観てていろいろしんどいところがある映画であった。「レクイエム」もしんどかったけど、あちらは最強の原作に支えられていたのに対し、こちらはやはり話が少女マンガの域を出ていないような。ドロドロした雰囲気はよく出ているので、そういうのが好きな人にはたまらんでしょうが、そういう人たちってアロノフスキーの映画は観ないよな。

役者はナタリー・ポートマンが文字通り体を張った演技を見せつけていて、アカデミー賞を穫ったのも納得できる。表情が硬いのは役のせいなので仕方ないけど、暗黒面に堕ちたさまをもう少し見たかった気もする。彼女と対照的なキャラを演じるミラ・キュニスは奔放でいい感じ。どの映画でも同じような役を演じている気もするけどね。個人的にいちばん良かったのはバレエのコーチを演じるヴァンサン・カッセルで、高圧的なエロ親父の役がハマりすぎ。ウィノナ・ライダーは「スター・トレック」並みのチョイ役だったので何とも言えんな。むしろ主人公の母親を演じるバーバラ・ハーシーのほうがずっと怖い女性を演じていた。

しかしどうもうまく説明できないんだが、今までのアロノフスキーの作品と比べて何かが足りない気がするのは何故だろう?主人公がその役柄ゆえに観る人も拒絶して感情移入させてくれないせいなのかな、あるいはクリント・マンセルの音楽がチャイコフスキーの「白鳥の湖」に遠慮してるせいか?ここはぜひ女性の感想を聞いてみたいところです。

Trackback

no comment untill now

Add your comment now