ファウスト」で俺の中のリスペクト度が再び跳ね上がったテリー・ギリアムによる新作短編。タイトルはキリスト教の「聖家族」と全粒粉をかけてるんだろうが、イタリアのパスタ会社が出資して作られた作品だそうな。よって「これはコマーシャルではないのか?」みたいな批判もあったらしいけど、金の無いことで有名な監督なんだし別に企業に出資してもらったっていいじゃんねえ。

よって舞台となるのは当然のごとくイタリアで、イギリス人の父とイタリア人の母と一緒に観光に来ていた少年のジェイクは屋台に並んでいたプルチネッラの人形に魅了されるが、両親は彼がそれを買うことを許さず、ジェイクは親とケンカしたあげく夕食抜きでベッドに送られる。しかし彼は人形をひとつ屋台からくすねており、それが夜中になって動きだし、ジェイクを不思議な世界に連れ込んで…というようなストーリー。

口うるさい両親に理解してもらえない子供が不思議な世界を旅する、という展開は「バンデットQ」によく似ているかな。また仮面をつけた大量のプルチネッラたちのコレオグラフィーは「ファウスト」のオペラチックな演出に通じるものがあるかなと。目新しい感じはしないものの非常にギリアム的な作品でしたよ。

そしてストーリーもコンパクトにまとめられているが、いかんせん20分という尺であるために比較的単純で、なんとなく消化不良な感じがしなくもない。欲をいえばもうひとひねりあれば良かったな。

個人的にギリアムって「タイドランド」でなんか変な方向に行っちゃったイメージがあって、それが「パルナサス」を経てこの映画で再びかつてのスタイルに戻ってきた感があるので往年のファンとしては嬉しいこってす。で、次に長編を撮るのはいつよ?

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