ウディ・アレンの同名映画のテレビドラマ…では当然なくて、原爆を開発した「マンハッタン計画」に関わった人々を描いたWGNの新作シリーズ。登場するキャラは殆どが架空の人物になるのかな?
舞台は1943年。第二次世界大戦の戦火が多くの犠牲者を出しているなか、ドイツよりも先に原子爆弾を完成させるためにアメリカ政府はロバート・オッペンハイマーの指揮の下、ニューメキシコのロス・アラモスに優秀な物理学者たちを招集して「マンハッタン計画」を立ち上げる。しかし砂漠の中の村という劣悪な条件のなかで働かされる科学者たちのストレスは、その家族たちにも影響を及ぼすようになり…というプロット。
副大統領さえも知らないという極秘のプロジェクトに関わる科学者たちが、当然その仕事の内容を妻たちにも明かせず、家族関係がどんどんギクシャクしてくという設定が面白いかも。また計画内では2つのチームが独自に原爆を開発しており、その駆け引きが話にスリルを加えている。あとは計画の秘密がどこかから漏れているらしいとか、科学者やロス・アラモスの土壌が放射能で汚染されているといった伏線が張られているのだけど、今後の展開はどうなっていくのだろう。
なお結果的に原爆が投下される日本についての言及は殆どなし。このシリーズのメイキング番組みたいなものも観たのだけど、当時の科学者たちはみんなドイツ相手に原爆を作ってるのだと思い込んでいて、日本に投下されたことを知ってショックを受けた人が多かったのだとか。
主役の科学者を演じるのがジョン・ベンジャミン・ヒッキーで、その妻をオリヴィア・ウィリアムスが演じている。彼女ってなんか恵まれない人妻の役ばかり演じているような。あと音楽を担当してるヨンシー&アレックスって、シガー・ロスの人?
日本人としてはちょっと微妙な気持ちになる題材だが、映像も美しくてよく出来た作品。WGNのシリーズとしてはこないだの「SALEM」よりもずっと面白いかと。