ラリイ・ニーヴンの「リングワールド」シリーズの第4巻、そしておそらく最終巻の「リングワールドの子供たち」を読んだ。SF小説というか小説を読んだのってずいぶん久しぶりだったけど、馴染み深い世界の物語だったのですんなり読めた。
前作の「リングワールドの玉座」がどちらかといえば地味な展開の作品だったのに対し、今回は最初のほうで懐かしのロングショット号が登場したかと思えば、リングワールド周辺の宙域で派手にドンパチをやってくれる展開になっていて、反物質爆弾によるリングワールドの地殻の貫通なんていう荒技も見ることができる。これに加えてリングワールド建設の歴史が紹介されたり、ティーラ・ブラウンの秘密が明らかになったりと、なかなか集大成的なストーリーが繰り広げられていて面白い。「獣への話し手」ことハミイーもちょろっと出てくるし。肉体が若返ったおかげでリビドーに圧倒される主人公のルイス・ウーがなんか情けないけど。
前半の展開にくらべて後半がずいぶん急ぎ足になっていて、説明不足の点が多いような気がするし、最後のオチもかなり無茶苦茶なような気がするけど、まあいいんじゃないでしょうか。それにしても「太陽のような質量の付近で宇宙船がハイパードライブに入ると、亜空間に棲む捕食生物に喰われる」なんてカホな設定、どこから思いついたんだろう?