おととし終了した「ブレイキング・バッド」のスピンオフ作品なのだよ。
主人公は「BB」のイカサマ弁護士ことソウル・グッドマンことジミー・マギルで、彼が「ソウル・グッドマン」と名乗って事務所を開く6年くらい前の出来事を描いたプリクエル作品になっている。ただし冒頭では「BB」最終回のあとの彼も登場するし、「BB」の途中およびその後の彼の姿も描かれることになるみたい。
舞台は2002年のアルバカーキ。さえない弁護士のジミー・マギルは裁判に勝てず、顧客にも逃げられ、ろくな事務所も持てずに最低な日々を過ごしていた。彼の兄のチャックは大手弁護士事務所のパートナーだったが、自分が「電波過敏症」だと思い込み電子機器のない家で長期休職中という始末。ジミーは兄に退職および会社の資産の清算を進めるものの聞いてもらえず、金欲しさに当たり屋の男たちと組んで小金を得ようとするものの、物事はあらぬ方向に進んでしまい…というプロット。
弁護士が主人公だけど法廷ドラマにはならず、「BB」同様にメキシカン・マフィアとやり取りする犯罪ドラマになるのかな?ただし「BB」は主人公が怒りにまかせて底辺からのし上がっていく内容だったのに対し、こちらの主人公はトリックスター的なタイプなので、「BB」よりもブラックなコメディの要素が強いかもしれない。
主人公のジミーを演じるのは当然ながらボブ・オデンカーク。「ネブラスカ」や「ファーゴ」を経て、さらに演技が巧くなっているな。あとは「BB」のマイクことジョナサン・バンクスが出演しているほか、「BB」の他の出演者もちらほら出てくるみたい。新しいキャラクターとしては兄のチャックをマイケル・マッキーンが演じている。
放送前からシーズン2の製作が決定し、初回の視聴率も記録的な数字を稼いだらしいですが、まあ「BB」の大変素晴らしかった第1話と比べるとクオリティは落ちるわな。しかし演技や演出は手堅いし、「BB」と比べなければ十分に楽しめる番組じゃないでしょうか。プリクエルとはいえ話が自在に発展できる余地は多分にあると思うので、「BB」に肩を並べられる作品になることに期待。