テリー・ギリアムの「ローズ・イン・タイドランド」をやっと鑑賞。俺まだ「ブラザーズ・グリム」はまだ観てなかったりする。昔はギリアムの新作が出れば劇場に真っ先に足を運んだものだがのう。いや、別に嫌いになったとかじゃなくて、他に観る映画がいっぱいありすぎて時間がないだけの話ですけどね。
んでこの「ローズ・イン・タイドランド」。結論から言うと明らかな失敗作。でもギリアムの失敗作だからただの失敗作とは1つも2つも違うけどね。雰囲気としては「バンデットQ」と「ラスベガスをやっつけろ」を足して2で割ったような感じかな。「バンデットQ」はあくまでもファンタジーの世界の話だったけど、「タイドランド」は舞台がずっと現実世界なので話に救いがないのが痛々しい。最初から最後まで変人ばかりが出てきて気色悪いことをやってる映画というのは全然ありだとは思いますが、ギリアムにはもうちょっと別のものを期待してたんだけどね。なんかむしろティム・バートンや最初期のデビッド・リンチが作りそうな作品だったな。俺にとってギリアム作品といえば「未来世紀ブラジル」のような毒々しさとファンタジーが絶妙にブレンドされたものを期待してしまうのですが、今回は毒のバランスが強すぎたようです。現実の悪夢を理想の幻想で乗り切るというテーマは「ブラジル」にも通じるはずなのに、なぜ今回はこうして不快な作品になってしまったんだろう。
作品の取り柄としては、主人公のジョデル・フェルランドの体を張った演技は見事。ジェフ・ブリッジスは大統領も演じられるような役者だけど、やはり「ザ・デュード」のようなボンクラを演じてる方がいいっすね。死体になってもいい雰囲気を醸し出しております。その他の俳優はキモくて駄目でした。うむ。
この作品アメリカでもかなり酷評されたみたいだから、ギリアムは今後の作品がさらに作りにくくなるだろうなあ。