「ドクター・フー」シリーズ9総括

Doctor Who, Season 9
シリーズ8のラストで倒されたはずのミッシーがしれっと第1話で復活して、そのあとまたしれっと消えた展開を観て「ハァ?」と不安になったものの、全体的には前シリーズよりも優れた出来になっていたと思う。

ジェナ・コールマン演じるクララたんが番組を去ることが今シリーズの重要なポイントであったわけだが、むしろ話はもう一人の女性、アシルダ(ミー)を軸にして進んで行く。1話だけのゲストキャラかな?と思いきやどんどんドクターの話に絡んでいく存在になるのが面白いですね。いっそ彼女が新しいコンパニオンになるのが望ましいのだけど、彼女を演じるメイジー・ウィリアムズは「ゲーム・オブ・スローンズ」で忙しそうだからな…。

アシルダもそうだし、前シリーズに登場したオスグッドもそうだけど、死んだかな?と思われたキャラクターが数話あとに再登場し、うまく話をまとめるパターンが今回は多かった気がする。こういう細かいサイクルで伏線を回収していくほうが、11代目ドクターのときのシリーズ全般に張られた伏線を回収していくのよりも楽しめたんじゃないかな。その極め付けがクララの結末だったわけだが、あの終わり方はとてもよかったんじゃないですか。ドクターとの別れも、それシリーズ4でやったよね?と思わせておいてうまーくひっくり返した展開にしていたのが巧いなあと。

そしてやはり話の中心にはドクターがいるわけでして、ピーター・キャパルディの演技はさらに板についたものになっていた。大絶賛されたトラウマ回「Heaven Sent」において、クララを失って怒りに燃えるドクターの姿なんて、マット・スミスやデビッド・テナントにはまず似合わなかっただろう。ここらへんは脚本家(というかモファット)が役者の長所をよく分かっている結果かと。「The Zygon Inversion」における反戦スピーチも良かったぞ。

というわけでコンパニオンがまたいなくなり、来年の展開について早くも噂が飛び交っているようですが(普通に12エピソード放送するよね?)、今シリーズくらいの出来を素直に期待していいんじゃないでしょうか。ピーター・ジャクソンも監督やるみたいだし。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です