原作は読んだことなし。感想をざっと。ネタバレあり。
・ジェームズ・キャメロン製作&脚本ということが宣伝では謳われているけど、(エンドクレジットの短さから察するに)比較的少人数で製作し、テキサスで撮影し、サントラには自分の作った曲をいれているあたり、これロバート・ロドリゲスの映画だよなあ。
・キャメロンが脚本だけ書いて放置してたのを、なら俺が撮るわ、とロドリゲスが拾って脚本を切り詰めたらしいが、そのためか残り4分の1のところで悪役との戦いが一旦おさまってしまい、日常生活に戻ったところでモーターボール参加の話がでてくる流れに違和感を感じてしまったよ。
・アクション映画たるもの、話の緊張感を保つために主人公たちは常に迫り来る危険に晒されていなければならない、というのが俺の持論でして、「ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー2」をあまり評価してないのもこの理由だが、この作品も急に「お金ほしいから試合に出ようか?」みたいな話になったのでガクっときたよ。あそこ脚本で中をつまんだんだろうな。
・とはいえその後のモーターボールのシーンも含め、アクションは迫力ある出来だし、あまり期待せずに観たら結構楽しめる出来であった。原作が古いだけではないだろうが、全体的に80〜90年代の古き良きSFX映画の雰囲気があったような。「ビデオでーた」とかで特集が組まれそうな作品というか。
・SFアクションにしてはクリストフ・ヴァルツにマハーシャラ・アリ、ジェニファー・コネリーと3人もアカデミー賞俳優が出演していて、彼らの手慣れた演技が作品を地に足がついたものにしているというか。アリータ役のローサ・サラザールはCGで素顔が見えないのだが、あの大きな目はすぐに慣れて違和感はなし。ただやはり感情を伝えにくい顔になってるかな。
・アメリカでは興行的にパッとしないようだけど、例によって中国の成績が良いようなのでもしかしたら続編が作られるかも?「攻殻機動隊」に続いて日本のマンガがハリウッドでブロックバスター作品となり、いわゆるマンガ目もしっかり映像化したということで、1つの標識となる作品かと。今後また日本のマンガが実写化されるようなことがあった場合、参考例としてよく言及される作品になるんじゃないかな。