公開したばかりなので感想をざっと。以降はネタバレ注意。
- 主役のキャラクターについては「ミズ・マーベル」だった頃の、ずっと昔に出た邦訳のコミックを持っていた覚えが。あとはアメコミを本格的に読み始めた頃はXメンのローグにパワーを吸い取られて昏睡状態に陥っていたという不遇な状況だったので、個人的にそんなに思い入れはなし。
- しかし最近はコミックで主要なキャラクターになった(「シビル・ウォーII」はグダグダだったけど)」ということと、女性が主人公のマーベル映画が求められていたということもあり、映画化については満を侍して、という感じですかね。
- 舞台は1990年代ということで、サントラも90年代ロックが多用されてるわけですが、「ガーディアンズ」に比べるとメジャーな曲ばかりで渋い選曲はなかったな。PCの遅さとかがネタになるあたり、自分が多感な時期を過ごした90年代は遠くになりけり、という感じでした。
- 映画のスタイルも90年代のアクション映画っぽくて、サミュエル・ジャクソンとの掛け合いとかはバディ・コップものの亜流ですな。昔だったら金曜ロードショーなどで放送されてたような作品を彷彿させましたが、じゃあ90年代の作品のノリを再現したら面白くなるのかというと、必ずしもそうではないわけで。
- 記憶を無くした兵士が自分の過去を取り戻し、組織から離れて一人立ちしていくところと、女性が自立していくさまを重ね合わせたのは良いのだが、それ以外の部分のバランスがどうも悪かったような?
- スクラルにしろクリーにしろ、星間旅行が行える技術を持っている一方で、地球の交通事故で死ぬような弱さ。特にスクラルの主要キャラはなぜかオーストラリア訛りで話すようになり、「正体不明の策士」から「気のいいオッサン」までズルズルと格が下がっていくのが興ざめであった。もっと印象的な敵キャラを登場させるべきでしたね。
- それに対して主人公は圧倒的なパワーを最終的に覚醒させるのだが、もうちょっと早く覚醒させて派手なバトルを繰り広げてもよかったような。何を言いたいかというと、終盤での宇宙船のなかでの格闘シーンがやけに暗くて、何が起きてるのか分かりにくかったのです。ここらへんは監督がアクション畑の人たちではないのも影響してるのだろうか。
- スタン・リー追悼のオープニングはちょっとやり過ぎのような気もするが、まあいいか。本編でのカメオは「モールラッツ」の脚本を読んでるところがツボでした。
- キャストはサミュエル・ジャクソン御大が70歳にも関わらず積極的なアクションを繰り広げられているのですが、自分の顔がずっとデジタル処理されて若返ってるのってどんな気分なんだろう。
- マーベル映画としては「ドクター・ストレンジ」同様、比較的凡庸なオリジン映画の部類に入る作品ですかね。まあ今度の「エンドゲーム」の前振り的な作品でもあるので、あっちでキャプテン・マーベルがどう活躍するかに期待したいところです。