「WILD ROBOT」鑑賞

ドリームワークス・アニメーションの新作で、日本では「野生の島のロズ」の邦題で2月より公開。以下はネタバレ注意。

舞台は未来の無人島。そこに流れ着いた貨物にあった、家事お助けロボットの「ロッザム7134」が独自に起動する。野生動物だけが跋扈する島において、自動翻訳機能を使うことで動物たちの会話は理解できるものの、自身のプログラミングに想定されていない環境に戸惑うロボットは、動物たちに追いかけられて雁の巣を壊してしまう。そこでロボットは「ロズ」と名乗り、唯一助けたヒナを育てることになるのだが…というあらすじ。

監督はあの名作「ヒックとドラゴン」の片割れクリス・サンダースで、「異生物との交流」という彼が得意とするテーマがフルに発揮されている…というか雁のヒナが空を飛ぼうと必死に訓練するシーンとか、もろに「ヒック」なので感慨深いわな。音楽も「ヒック」ほど明確なテーマ曲こそないものの、印象的な曲が効果的に使われてジワジワ来る。

序盤はロズと動物たちのドタバタ、中盤はヒナの子育て話、そして終盤は…ということでストーリーにちょっと一貫性が無いというか、主人公たちに差し迫った課題がいまいち感じられないのが難点ではある。ただこれポスターとかだと想像しにくいけど、ロズは要するに無機質なロボットでなく母親代わりであり、彼女がヒナに対しての母性に目覚めていくことが大きなテーマになっているので、それを念頭に置いて観た方が良いかもしれない。自身を犠牲にしてでも動物たちを守るおっかさんが強いのですよ。

声優はそんな優しいロズを演じるルピタ・ニョンゴがいい感じ。パートナー役のキツネにペドロ・パスカル、あとは安定のマーク・ハミルなど。

アメリカでは絶賛されてアカデミー賞にノミネートされてるし、原作小説も3部作のようなので続編制作が決定しているそうな。まあ続編はどうなるかわからないけど、これ一本で十分に楽しめる作品だった。